コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

寺島しのぶ、伊藤沙莉と脚本家の熱愛は「うらやましい」? 『ワイドナショー』発言から日本映画界の性加害問題を考える

2022/04/22 12:30
仁科友里(ライター)
第70回カンヌ国際映画祭に参加した寺島しのぶ(Getty Imagesより)

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今週の有名人>
「女優さんだったら、その人のために書いてくれたりするわけじゃないですか」寺島しのぶ
『ワイドナショー』(4月17日放送、フジテレビ系)

 女優たちの告発が続く、日本映画界の性加害問題。4月17日放送『ワイドナショー』(フジテレビ系)ではこの話題を扱っていた。

 ゲストとして出演した女優・寺島しのぶは、歌舞伎役者の七代目尾上菊五郎を父に、女優・富司純子を母に持つ。国内のみならず、ベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞するなど、世界的に評価の高い女優だ。寺島は女優たちの告発について、「こういうことを言うことって、とても勇気がいること」「今まで黙っていた人たちが、どんどん風通しをよくするために、いろいろとこれを機会に言っていくのは、私はいいと思うんですけどね」とコメントしていた。

 日本を代表するトップ女優の一人も、映画界の体質を変える必要性があると思っているのだろう。その一方、この問題を解決するのは、そう簡単ではないとも感じる。

 同番組は、女優・伊藤沙莉と18歳年上の脚本家・蓬莱隆太氏との熱愛も取り上げていた。寺島いわく、蓬莱氏は舞台の脚本家として引っ張りだこな存在だそうで、「うらやましい。だって、女優さんだったら、その人のために(脚本を)書いてくれたりするわけじゃないですか」と感想を述べていた。

 すぐれた原作もしくは脚本と、役者の演技力がマッチすると、その役者の代表作、言い換えると“当たり役”が生まれるだろう。直木賞作家・宮尾登美子氏の評伝、林真理子氏の『綴る女』(中央公論新社)には、女優がいかに真剣に自分の当たり役を求めるかが描かれている。

 同作の内容を少し紹介しよう。任侠映画の観客の入りが少なくなってきた頃、同ジャンルの作品を量産していた東映は路線を転換し、ベストセラーを記録していた宮尾作品の映画化を思いつく。宮尾作品の女性主人公は、時代や男の横暴に巻き込まれても、ひたすら耐える。しかし、過酷な運命に負けない芯の強さと一抹の激しさを秘めており、多面的で魅力的な存在であった。

 女優・三田佳子は、そんな宮尾作品を映画化した『序の舞』(1984年)への出演を熱望するも、ほかの仕事との兼ね合いでタイミングが合わなかった。しかし、どうしてもあきらめられなかった三田は、無理を言ってそれほど出番の多くない役で出演。主役ではないからといって、三田は手を抜かず、丁寧に役作りをし、結果的に脇役でも存在感を発揮した。

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