『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』尊敬できない先輩VS扱いづらい後輩「ボクらの丁稚物語2022 ~涙の迷い道と別れ道~ 前編」

2022/02/28 18:32
石徹白未亜(ライター)

厄介な後輩が失踪したとき、どう行動する?

 しかし、「かわいげのない後輩が失踪した」という状況で、「心配する」ことが17年組にはなんだかしらじらしく感じられたのではないかと察するし、その気持ちは一個人としてはよく理解できる。

 一方で、秋山社長や先輩職人たちの「部下を心配する、部下の行動に対し自分のマネジメント上の責任を感じる」という気持ちも、社会人として理解できる。

 ただ、「厄介な後輩の失踪」という状況は、実際はせいせいしていたとしても、多少心配した素振りぐらいは見せておいたほうがいいのでは、と思う人が多いだろう。

 そんな中でもまったく平常そうな17年組は“心のまま”とも言え、それは幼さでもあるのだが、大抵の大人が社会にもまれ建前を身につけ、いつの間にかなくしてしまう素直さが残っていて、ちょっとまぶしさも感じた。

 次回は今回の続編。17年組と山田の不協和音が増幅していく中、秋山社長は苦渋の決断を下すことになる。

石徹白未亜(ライター)

石徹白未亜(ライター)

専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。

記事一覧

Twitter:@zPvDKtu9XhnyIvl

いとしろ堂

最終更新:2022/02/28 18:32
1000人のエリートを育てた爆伸びマネジメント
教育にも限界あると思うよ
アクセスランキング