芸能
[連載]崔盛旭の『映画で学ぶ、韓国近現代史』

韓国映画『シュリ』『JSA』 から『白頭山大噴火』まで! 映画から南北関係の変化を見る

2021/08/27 19:00
崔盛旭(チェ・ソンウク)

 
 政治・社会・軍事など、あらゆる局面で対立はしていても同じ民族ゆえに必ず融和できるはずだと訴える同一民族主義は、南北関係の進むべき理想の道とされてきた。しかし、豹変を繰り返す北朝鮮の態度はその限界を露呈させるものでもあった。だからこそ同一民族主義は韓国にとって「欲望」であり、その欲望を収斂する場として映画というファンタジーを必要としたのかもしれない。 
 
 南北兵士の密かな交流を描いた『JSA』(パク・チャヌク監督、00)、南の男子大学生と北の女子大学生の恋物語『南男北女』(チョン・チョシン監督、03)、南北離散家族が偶然見つけた38度線付近の地下トンネルで再会する『出会いの広場』(キム・ジョンジン監督、07)など、金大中の後を継いだ盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権までは、南北統一はそう遠くないといったムードの中で、同じ民族であることを前面に出した映画が量産された。

 中には、北朝鮮が故郷である病気の父のために家族全員がウソの南北統一の世界を作るという『大胆な家族』(チョ・ミョンナム監督、05)のような奇想天外な映画もあった。同作は朝鮮戦争後初めて北朝鮮でロケをした韓国映画としても歴史に残っている。この時代の映画は、反共映画に反旗を翻した「反・反共映画」と呼んでも差し支えないだろう。ただ、問題は韓国のこうした思惑に対して、北朝鮮側はどうだったかである。同一民族主義への韓国の願いは、残念ながら「片思い」に近いものだったと言わざるを得ない。 
 

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