コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

華原朋美は「幸せそうなメンヘラ」? 精神的に不安定でも、「ギリギリの線はちゃんと守る」強さとスゴさ

2021/08/19 21:00
仁科友里(ライター)

 私の考える「いいメンヘラ」の条件は、体力があること、仕事を続けられる(辞めない)ことの2つである。たとえば、私の友人はオトコと揉めると「眠れない」「食べられない」と騒いでいて、実際に激やせしたりもしていたが、会社に行けないわけではない。

 これで本当に倒れてしまったり、仕事ができなくなって辞めざるを得ないなら、周囲は直ちに介入する必要があると思う。これが私の考える悪いメンヘラだ。しかし、仕事をこなして体調を崩さずにやっているのなら、それは一種の“趣味”ととらえていいのではないか。 
 
 「穏やかな恋愛をしたい」というのが口癖の彼女だったが、その一方で「平凡はつまらない。オトコと揉めている時に生きていると感じる」と漏らしたことがある。ということは、彼女はオトコと揉めたくて揉めているわけだから、「かわいそうな人」ではなく、案外幸福なのではないかと思うのだ(もちろん、相手には同情する)。 
 
 芸能人にも、友人と似た「幸せそうなメンヘラ」がいる。歌手の華原朋美だ。天才プロデューサー・小室哲哉に見いだされたシンデレラガールにして、90年代を代表するトップアーティストだが、人気絶頂時から精神的に不安定なイメージもあったと記憶している。

 小室との交際が順調な時も歌番組で奇声を発したり、質問に答えずにずっと笑っているなど、カメラの前で“奇行”を繰り広げたこともあったが、時代の寵児に愛されていることもあって、それすらも「かわいい」と言われていた。しかし、小室と破局したことで、彼女はながーい暗黒時代を経験することになる。 
 

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