コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

2万坪の豪邸から、新居は飯田橋の2部屋アパート! “主婦”になったプリンセスの結婚・離婚・再婚のお相手男性

2021/07/10 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――酒井さんのパーソナリティーはどんなタイプですか?

堀江 酒井さんは、まじめな学者タイプ。ドイツ語と英語が得意で、輸入業務に生かしていたそうですね。その後、酒井さんと通子さんは急接近していきます。ただ、本当の庶民・酒井さんとの結婚に反対という通子さんの兄弟姉妹は、かなりいたそうです。しかし、長兄である久邇邦昭さんが、彼は「なかなかしっかりした、好感のもてる男性です」と認め、結婚を許可してくれました。

 ところが……ヒルトンホテルで昭和41年に開かれた会費制の披露宴パーティには、久邇家の面々は誰一人参加してくれず、通子さんの学習院時代の友人が1人だけだったとか。酒井さんも、彼のお母さん1人が来ただけで、あとはすべて会社の方だったそうです。

 どうも牛乳屋を営む酒井さんのお父さんとしては、旧皇族の女性とわが息子の身分違いの結婚に大反対だったようだし、そんな方々と親戚づきあいする自信などないというのが本音のようでしたね。

――せっかく再婚となったのに、それは寂しい……。

堀江 結局、昭和50年代に皇室ジャーナリスト第一号・河原敏明さんの取材に応じた時、酒井さんは出版社設立という夢の実現を目指し、失業給付を受けながら暮らしておられた、とのことです。

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