コラム
【連載】わが子から引き離された母たち

「息子に毎日弁当を届けたい」21歳で結婚・出産した女性が、“わが子と会えない”理由

2021/06/04 16:00
西牟田靖

――子育てのほうは順調でしたか?

 子どもが小さかったので、夜泣きするんです。夫は残業して疲れて帰ってきているからか、「泣き声がうるさいから別室で寝る!」と言われたり、夜泣きで抱っこしていたら「早く泣きやませろ」と怒鳴られたり。泣いている息子を落ち着かせようと、夜中に家の外でなだめたりしたこともありました。

――あまり協力的ではなかったんですね。では、そこからどうやって亀裂が入っていったんでしょうか?

 ひとつは私がADHD気質で、片付けられない人だったということが夫をいら立たせました。専門学校時代に映像制作用に買ったパソコンとか、服とか、本とか、さまざまなものを捨てずに持っていたんです。夫は真面目で片付けられる人だから、私が片付けられないことでストレスを感じていたんです。

――それはモラハラ?

 だと思います。「お前おかしいんじゃないか」って、常にバカにされていました。なので、私は、元夫のため息ひとつで萎縮していました。それで3回目にドカンと怒られるんです。そのときは決まって、理詰めで私のダメな点を一つひとつ挙げていくんです。

――正論って追い詰められますよね。

 そうかもしれません。でも私だって、一生懸命だったんですよ。最初の子だったので、どうやったら、この子をちゃんと育てられるか必死に考えていましたし、いろいろと行動していました。

――具体的にどんなことをしたんですか?

 ママ友作りというより、息子のために出かけていた児童館は、近くだけでなく、いろいろな場所に通い、たくさん居場所を見つけることの大切さを知りました。あと、私が頼ったのが、当時はやっていたミクシィでした。子育てコミュに入って、情報収集に努めました。

――子育てコミュのママさん同士で、オフ会をやったりしたのですか?

 「区内のママさん集まりませんか」と参加者を募って、集まってくれたママさんたちと一緒に育児サークルを立ち上げましたね。ここでは、たくさんのご縁ができました。

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