【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

眞子さまより日本を騒がせた、プリンセスの“恋”と“婚約トラブル”! モメまくった結婚問題が迎えた「悲劇」

2021/06/12 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

実家は「生きて帰れば、交際を認める」と宣言

堀江 二人を載せたタクシーの運転手が、天城山に到着したのが同4日の午後3時すぎのこと。彼は、帰りの最終バスの時間が午後6時であると気にする慧生さんの姿を証言しています。心中しようとしている人が、帰り道を気にするわけもありません。また、「今なら間に合うから引き返そう」と大久保さんに訴える慧生さんの姿についての証言もあります。

 諸説ありますが、慧生さんは大久保さんと一緒に死のうと思って天城山に向かったのではなく、1人にしておけば、愛する大久保さんが確実に死んでしまうので、それを命がけで止めようと同行したのではないか、と僕には思えます。

――しかし、お二人が天城山から戻ってくることはなかった、と。

堀江 残念ながらそうです。行方不明になった彼らに対し、二人の実家は「生きて帰れば、交際を認める」などの宣言を出しましたが、時すでに遅し。

 二人の遺体が発見されたのは12月10日のこと。慧生さんは大久保さんからもらった銀のブローチをつけ、大久保さんは慧生さんが贈ったネクタイと、彼女のアドバイスで作ったスーツを着て亡くなっていました。

 大久保さんが慧生さんのこめかみをライフルで打ち抜き、その後、自分も……ということでした。顔に白いハンカチがかけられた慧生さんを、大久保さんは腕枕するようにして、二人の遺体は木の下に横たわっていたといいます。当初、慧生さんの左手薬指には大久保さんから贈られたリングが光っていましたが(12月11日、朝日新聞)、葬儀の時には彼女の家族の手で抜かれていたようです。

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