【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

眞子さまより日本を騒がせた、プリンセスの“恋”と“婚約トラブル”! モメまくった結婚問題が迎えた「悲劇」

2021/06/12 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

目白駅近くで話し合って「婚約」

堀江 慧生さんも、表面的には家族に「図々しいわね」などと調子を合わせながら、「そんな自分が哀れで、布団をかぶって泣いちゃったわ」(青弓社『にっぽん心中考』佐藤清彦)などと、学習院の同窓生で、親友の木下さんという女性には本音をもらしたとか……。

 この時、慧生さんはご自分の家族のことを「お家の人」などと呼んでおり、彼女の中で、大久保さんとは一心同体のようになっているのに、実の家族との心の距離は確実に生まれていたのは見逃せません。

――大久保さんのそういう性格は、なかなか他人には理解しづらいでしょうね。常識で熱烈な恋心を語ることはできないとはいいますが……。

堀江 お二人が学習院そばの目白駅近くの蕎麦屋で話し合い、「婚約」したのが1957年2月のこと。大久保さんは慧生さんに銀のブローチを贈り、慧生さんは彼にネクタイを贈ったそうです。慧生さんには、大久保さんからエンゲージリングも贈られていたようです。ご家族の手前、リングをはめていることは少なかったようですが。

 慧生さんは大久保さんがそのラフすぎる服装のせいで、周囲になじめないと考え、紺色のスーツを作るようにアドバイスしました。そして、その服装に合うネクタイを選んでプレゼントしたようです。ズボンを穿く前には、布団の下に敷いて寝るとシワが取れるのよ、などのアドバイスもしていますね。

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