仁科友里「女のための有名人深読み週報」

田中みな実は、なぜ「怒られたくない」のか? 完璧な自分のウラにある「異様に怖がる」気持ちを読み解く

2021/05/27 21:00
仁科友里(ライター)

人の「失礼」に疑問を持ち、自分の「失礼」に気づかない

 同番組の冒頭、田中は歌手・中島美嘉、元NMB48・吉田朱里と鼎談していた。田中は中島について「私の青春」「大好きで大ファン」と語る。田中は番組MCであるから、ゲストを迎える側の立ち位置といえるだろう。だから、基本的にはゲストに気持ち良く話してもらうことが仕事なはずだし、大ファンのアーティストなら相手を敬いつつ、面白い話も聞き出せるはず……と思いきや、実際の田中は割と失礼であった。

 中島が「初めまして」と頭を下げるが(実際は、田中が局アナ時代にインタビューをしているので、初めてではない)、田中は頭を下げない。中島が美容に関して教えを乞えば「割とズボラですか? メイクとか」「やらなさそうなイメージ」と決めつけるなど、どこか「上から目線」なのだ。

 極めつけは、10年前に会った時の中島を「姿勢が、こう」と猫背で前かがみの姿勢で示し、その後に「今のほうがピンとしている」と補足していたが、わざわざこの場でその話を明らかにする意味はあるのだろうか? ここでのポイントは、カメラが回っているわけだから、中島は田中に指摘できないことである。

 そもそも、田中の感覚は不思議だ。番組MCの俳優・満島真之介は若かりし頃、有名演出家・蜷川幸雄氏の作品に出演したときに、蜷川氏の話が長かったこともあって眠くなり、大きなあくびをしてしまったそうだ。それが蜷川氏に見つかり、「俺はあくびされるような演出家になったのか~」と激高され、座っている椅子を投げられたという。このエピソードに対し、田中は「どうかと思うもんね」と満島の態度に疑問を呈していたが、上述した通り、自分だって結構失礼なことをやっている。

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中島美嘉の“苦笑い”を見てヒヤヒヤしたよ
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