コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

清原和博氏、テレビ出演で応援の声続々も……薬物タレント復帰の“あいまいすぎる基準“に疑問

2020/07/09 21:40
仁科友里(ライター)
猶予明け初のテレビ出演は大きな話題に

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の有名人>
「野球さえしていなかったら、こんなことにならなかったのかな」清原和博
『石橋、薪を焚べる』(フジテレビ系、7月7日)

 7月6日に木下優樹菜が芸能界引退を発表した。今月の1日に復帰宣言を出してから、わずか5日後の引退宣言だけに、よっぽどのことがあったのだろうと思われる。「女性セブン」(小学館)によると、あるメディアから事務所に対し、優樹菜と2人の男性(アスリートとミュージシャン)の関係について、問い合わせがあったという。事務所は優樹菜に話を聞いた結果、彼女を守り切れないと判断し、契約解除に至ったと報じている。

 もし優樹菜が、本当に不倫が原因で事務所をクビになったのだとしたら、不倫の代償はとてつもなく高くついたと言えるのではないだろうか。

 優樹菜は芸能界を去っていったが、戻ってくる人もいる。元プロ野球選手・清原和博氏が『石橋、薪を焚べる』(フジテレビ系)に出演した。コンプライアンスを重視するテレビの世界において、2016年に覚醒剤取締法違反で有罪判決を受けた清原氏は、歓迎される存在とは言えない。しかし、無事に4年間の執行猶予が明けて「お務めを終えた」ことと、夜中の番組で、全国ネットではないというのも、プラスに働き、出演が実現したのかもしれない。

 多くの人が疑問に思っていること、それはなぜ球界のスーパースターが薬物に手を染めたのかということだろう。石橋がズバリ質問すると、「膝のリハビリから解放され、自分のやりたいことがなかなか見つからなくて、夜な夜な飲み歩くようになって、そういうところで、ついやってしまった」「仲間の集まりで、軽いノリで1回やった」「1回やったら終わり」「完全に人間じゃなくなる」と語り、軽い気持ちで始めたところ、薬物にすっかり取り込まれていった様子を明かしていた。

 執行猶予期間中の最初の1~2年は、自殺願望にさいなまれ、1日中寝ていたという清原氏。外に行けば人目にさらされ、マスコミに追いかけられるかもしれないので、友人に食事を運んでもらい、外出もほとんどしなかったという。生きる力が湧かず「野球さえしていなかったら、こんなことにならなかったのか」と悔いたこともあったと言う。しかし、自身の原点である甲子園で高校球児たちのプレーする姿から元気をもらい、だんだんと気力を取り戻していったそうだ。

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