コラム
女のための有名人深読み週報

松嶋尚美、「昨日、家で友達と遊んだ」発言で批判の嵐も……彼女は「天然」ではなく「策士」と感じるワケ

2020/04/09 21:00
仁科友里(ライター)

 加えて、松嶋の判断力は鋭敏な気がする。一般人の雑談ならともかく、芸能人はギャラが発生する場所で話すとき、「今、この話をしていいのかどうか」という判断力が試されるだろう。「友達と家で遊んだ」発言に対し、共演者のおぎやはぎは「何やってんの」と呆れていたが、番組司会の坂上忍は、激怒するかと思いきや、笑った後に「正直な飾らない尚美ちゃんが好きですけど、今日から(人との接触8割減を)お願いします」と言うに留めた。ネットでは、松嶋の行為に批判が噴出したが、番組内で力を持っているであろう坂上は怒っていない。非常識なことを言えるのは、何を言ったら、その場にいる実力者が怒るか/怒らないかを読む能力があるか、もしくは、実力者に気に入られているので怒られない勝算があるかのどちらかで、それができる人は、天然ボケというより、策士ではないだろうか

 ネットでは、松嶋は降板すべきだという意見もあったが、松嶋はかなり『バイキング』向きのコメンテーターと言えるように思う

 『バイキング」の特徴の一つは、坂上が、司会という立場を超えて意見を言うことだと私は思っている。坂上は弁が立つタイプであり、ネットの反応を恐れずに自分の意見が言えるところもある一方、自分の意見と違ったり、進行役の榎並大二郎アナウンサーなど目下がとちったりすると、相手に詰め寄るといった強権的な部分もある。こういう人がメインの場合、脇を高める人は、水曜MC・おぎやはぎのように、ゆるさがあるほうがいいだろう。

 女性コメンテーターも同様で、これまでのケースから見ると、自己主張の強い女性タレントはレギュラーになっていない。今は“卒業”してしまったが、YOUがレギュラーだったときも、ほかの番組とは打って変わって、歯切れが悪かった。興味のない話題を振られていた可能性は否めないが、意見をはっきり言わないほうが、坂上のお好みであることに気づいていたからではないだろうか。もしそうだとすると、いつも突拍子もないことを言う(かつ、坂上を怒らせない)松嶋は、『バイキング」には欠かせないコメンテーターと言えるだろう。

 松嶋と言えば、かつて中島知子と共にオセロとして活躍していたが、中島が占い師の女性に洗脳されたという疑惑が浮上し、激太りしたと騒がれ、また家賃を滞納するなどのトラブルを起こして、所属事務所から解雇された。その後、コンビも解散したが、当時『ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)に出演した中島によると、“奇行”の原因は所属事務所と話が合わなかったことに加え、「(松嶋が)何年か前に独立した。コンビなのに独立した」と個人事務所を作ったことも理由に挙げていた。この言葉から考えると、中島は「相談もなく独立され、裏切られた」と思ったのかもしれない。今はテレビで中島を見ることはなくなってしまったが、相方に相談せず、いち早く独立し、解散しても一人で芸能界に生き残っている松嶋は、順風満帆そのものと言えるのではないだろうか。

 非常識な言動を見せても生き残れる人というのは、人の何倍もチャンスやタイミングを見ることに敏いと言えるのかもしれない。おそらく、今後もすっとぼけた発言を繰り返し、芸能界を渡っていくであろう彼女を、私は震えながら見つめていくつもりだ。

仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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Twitter:@_nishinayuri

最終更新:2020/04/09 21:00
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