カルチャー
インタビュー

なぜファッション業界は「セクハラが多い」のか? ストライプ社トップの騒動は「珍しくない」

2020/03/22 14:00
サイゾーウーマン編集部

 海老澤氏は、ファッション業界でセクハラが多い背景に、業界の体質が関係しているとしていたが、その詳細はどういったことなのだろうか。

「アパレル企業は、トップの経営陣が男性で、その下にいる社員や販売員が若い女性、かつ男女比においては、女性の比率が圧倒的に高いという構図が特徴的です。ファッション業界は、年2回ないし年4回のシーズンによって動いており、それに合わせて集中的に働くので、ハードワークになりやすい。また、人手不足の上、セールなどのイベントや研修・打ち合わせなども多く、常に過重労働です。そうした環境の中、女性が結婚、妊娠、出産をきっかけに仕事から離れてしまうケースも多く、そうすると男性が上に行き、その下に若い女性がつくという構図になりやすいんです。そのような状況で、ごく一部の経営陣の男性が、『女性を好きにできる』などと勘違いして、セクハラ行為に走りやすいのではないかと感じています」

 確かにストライプ社も男女比が「9割女性」ではあるが、一方で管理職も5割は女性であり、その実績から、石川氏は政府の「男女共同参画会議」の議員を務めていた(報道後に辞任)。

「女性の数が多いので、他業界と比べると管理職の女性比率が高いと思われるかもしれません。しかし、たとえ全体の9割が女性でも、管理職も9割が女性というわけではないんです。やはりファッション業界は、『女性が上に行きにくい』面があるように思います」

 さらに、ファッション業界では「一見『経営』の権限を持っているような肩書を与えられても、実質はそうではないケースも多い」と海老澤氏。

「『店長』や『◯◯責任者』という肩書を持っていたとしても、権限が弱く、一従業員とさして変わらないといったことは珍しくありません。というのも、労働基準法上、企業は従業員に対し、例えば残業代の支払いなどに関し、大きな義務が課されるのですが、その規制を緩和するために、肩書だけ経営陣にしてしまい、しかしその働き方は、一従業員とほぼ同じといったことが割とよくあるのです」

 そう考えると、いくら経営陣に女性が多いというアパレル企業でも、実質的には「トップは男性で、その下にたくさんの女性がいる」という構図の企業も少なくないと考えられるだろう。

アクセスランキング

今週のTLコミックベスト5

  1. 塩対応な私の旦那様はハイスペックな幼馴染!?~トロトロに甘やかされて開発される体~
  2. 交際ゼロ日で嫁いだ先は年収5千万円のスパダリ農家~20歳、処女を弄ぶ優しい指先~
  3. お花屋さんは元ヤクザ~閉店後の店内で甘く蕩ける~
  4. 体育会系幼馴染は世界一の溺愛男子~全人類の好感度がある日見えたリケジョの私~
  5. 淫魔上司は不器用な溺愛男子~インキュバスが魅せる激甘淫夢は人外の快感~
提供:ラブチュコラ
オススメ記事
サイゾーウーマンとは
会社概要
個人情報保護方針
採用情報
月別記事一覧
著者一覧
記事・広告へのお問い合わせ
プレスリリース掲載について
株式会社サイゾー運営サイト