コラム
知られざる女子刑務所ライフ84

沢尻エリカの有罪判決に「執行猶予」は不要? 元女囚が考える薬物案件の量刑

2020/02/09 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)

 それにしても、なぜ薬物事件の初犯は執行猶予がつくんでしょうね。私もそうでしたが、クスリは常習性が高いので、最初から実刑がええと思いますよ。

 編集者さんが執行猶予について調べてくださいましたが、刑法で決められているそうです。
 

第二十五条 次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその刑の全部の執行を猶予された者が一年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第一項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

 ジョウジョウシャクリョウ。この言葉、私の裁判でもよく聞きましたが、要するに「気の毒やな」と裁判官に思ってもらうことですよね。瑠美は一回も認めてもらえませんでしたが。

 初犯で実刑だったのは、元プロ野球選手の江夏豊さんくらいとちがいますかね。所持の量が100グラムとけっこう多かったこともあって服役されています。でも、その後の江夏さんはクスリをスッパリとやめて、今は野球の解説者や指導者として活躍されているので、清原和博さんが逮捕された時も実刑を望む声がけっこうありましたね。私もそう思いました。

 エリカ様も、19歳からクスリを使っていたとのことなので、初犯でもムショでゆっくり今までのことを考えたほうがよかったのではないでしょうか。「芸能人」なので、刑務作業も寝る時もお一人様でしょうから、考える時間はたっぷりあります。もともと美人さんで、演技もうまいのですから、引退ではなく女優さんとして復帰される日をお待ちしております。

 そういえば、ピエール瀧さんの復帰もニュースで見ました。「復帰が早すぎる」との声もあるようですが、がんばって働いて、違約金とかを払わないとですね。私も応援していますよ。

中野瑠美改め瑠壬(作家)

1972年大阪・堺市生まれ。覚せい剤取締法違反で4回逮捕され、合計12年の懲役を経験。出所後は、刑事収容施設への差し入れ代行業や収容者と家族の相談窓口などを行う。現在は堺市内で「Night Space祭」を経営。著書『女子刑務所ライフ』(イースト・プレス)がある。

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Instagram:@rumichibi1209

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最終更新:2020/02/09 16:00
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