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堂本剛の「アンチジャニーズ」発言はジャニーズ事務所批判ではない?

2019/10/16 20:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 Kinki Kidsのファンクラブ会員に向けた会報「[Ki]×3」での堂本剛の発言により、「ついにKinki Kidsは解散してしまうのか?」との波紋が広がっている。

 堂本剛は10月に配布された会報で、ジャニーズ事務所でのアイドル活動が苦痛であったともとれるような言葉を綴っていた。

<自分のやりたいことができる人生を歩んではこなかった>
<客観的に自分を見たとき、かわいそうだなって>
<ジャニーズだからっていうような概念は第三者が勝手に提供してくれるもの>
<第三者が作った概念におつき合いすることに対して意味を感じなくなってしまった>

 上記の発言に対しネット上では、「今までの活動を否定するのはファンに失礼」「事務所のおかげでここまで有名になれたのに」など否定的な意見がある一方、「ついにKinki Kids解散の時がきた」と覚悟を決める声も飛び交っている。

 しかし剛が「ジャニーズ」と括られることの苦悩を語ったのは今回が初めてではない。

 たとえば昨年9月放送の『SONGS』(NHK)に出演した堂本剛は、ジャニーズアイドルだから、自身がつくった曲に正当な評価がもらえなかったと苦い過去を振り返っている。

<曲をつくって最初にプレゼンさせてもらったときはみんなに言われたんでね。『本当にアイツがつくってんの?』とか、『ジャニーズでこんなのつくれるヤツいんのか?』とか、いっぱい言われたんでね。で、その度に悲しかったけど、それが現実やったから>

 また、音楽雑誌「音楽と人」2019年5月号(音楽と人)では、アイドルという職業柄、人間関係が狭くなってしまっていたと語っていた。

<10代まではこういう世界で生きてるので交友関係を広げることで相手に迷惑をかけてしまうことがあったらどうしようとか、仲よくしないほうがその人を傷つけないかもしれないとか、いろんな配慮をしながら人付き合いをしていたところがあって>

 「相手に迷惑をかけてしまう」という言葉は、ドラマ『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)で共演したともさかりえへのバッシングに、堂本剛が自責の念を感じていたことを示唆している。ドラマだけでなく現実生活でも二人は同じ高校の同級生だったことから、「2人は付き合っている」との噂が浮上し、ともさかは剛のファンから異常な嫌がらせを受けた。

 ジャニーズタレントの堂本剛という“第三者が作った概念”として生きることで、悔しい思いをしたり我慢を強いられてきたことは多々あったのだろう。そのことを理解しているファンからは、「そろそろ我慢の限界にきているのでは?」と心配する声も少なくない。

 今年7月にジャニー喜多川元社長が亡くなったことも、堂本剛に少なからぬ影響を与えていると見られている。ジャニーズタレントの中でもジャニー氏と特に親交が深かった剛は、ジャニー氏が病院に緊急搬送された時から、「もし社長が交代すれば剛は事務所を退所する意向だ」と報じられていた。

 もちろん上述したような堂本剛の発言は、「ジャニーズ事務所批判」とイコールではない。事務所社長であるジャニー氏に支えられてここまで来たことに、感謝を持っていることは疑いようがないだろう。彼が苦しんできたのは「ジャニーズの堂本剛」とカテゴライズされ、活動の幅を含め自身のことを一方的に決めつけられる、目に見えない窮屈な縄のようなものだったのではないか。

 そしてそれは「第三者の勝手な概念」である以上、逃れることが難しい。テレビ局や広告代理店との太いパイプを持つ大手芸能事務所だからこその恩恵と、同時に否応なく背負うジャニーズアイドルというイメージ。これは今のジャニーズ事務所に属するタレントたちが多かれ少なかれ感じてきたことでもあるだろう。

キンキのドームコンは「最後」になるのか
 Kinki Kidsは先日、今年の年末に約2年ぶりのドームツアーを開催すると発表したばかり。昨年は開催出来なかったが、今年は12月14日と15日に東京ドーム、そして年越しの12月31日と1月1日は京セラドームで行う。キンキファンにとっては待ちに待った大イベントだが、ともすればこれが “最後のコンサート”になってしまうのだろうか。

 ただ、一度始めて大きな人気を獲得したからといって、永遠にそれを続けなければいけないということはない。人生のフェーズごとに人は変わっていくのが普通のことだ。堂本光一は後輩指導にも熱を入れており、堂本剛は音楽活動に邁進。ジャニーズ事務所のビッグアイドルとしてのKinki Kidsだけが彼らのすべてでないことは自明だ。

最終更新:2019/10/16 20:00
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