インタビュー【後編】

ジャニーズの男社会が生む“保守的なジェンダー観”は、どんな「危険」「問題」を孕むのか?

 最近、ジャニーズファンが「アイドルのジェンダー観は遅れている」と口にする機会が増えた。前編では、『「アイドル」のメディア史 『明星』とヤングの70年代』(森話社)の著者である帝京大学 文学部 社会学科 助教の田島悠来氏が、その原因を「アイドルは女性の理想像を具現化した存在」という視点から考察してくれた。後編では、「ジャニーズという組織の特徴」という面からこの問題を掘り下げていく。

(前編はこちら)

「男らしさ強調」「女性を下に見る」発言を「あえて」する?

――ほかにも、ジャニーズのジェンダー観が「遅れている」と言われる要因として、考えられるものはありますか。

田島悠来氏(以下、田島) ジャニーズのアイドルは、見た目的にフェミニンであることが多いため、「中身は男らしいんだ」ということを、古いジェンダー観につなげて、強調しようとする傾向があるのではないでしょうか。また、体を鍛え出したり、髭を生やすなどして、見た目のフェミニンさをなくそうとするアイドルもいますよね。これはジャニーズに限った話ではありませんが、フェミニンな容姿にコンプレックスを抱く男性は少なくないのかもしれません。個人的に、ジャニーズの美しい男性像は日本独特だし、「いいな」と思ってるんですが。

 また、ジャニーズが「男社会」である点も関係しているのでは。「ジャニーズファミリー」というワードにもよく表れていますが、男性の集団生活の中で、保守的な縦のつながり、また横のつながりを大切にしているというか……。アメリカの文学研究者、イヴ・セジウィック氏が、こうした社会の中での男同士の絆を「ホモソーシャリティ」として提唱しており、それは同性愛的な関係性、つまり「ホモセクシュアリティ」とあまり差がないとされています。そういった背景から、「同性愛」と見られることを拒否したいがゆえに、男性が「自分は異性が好きだ」また「同性愛を嫌悪している」と、ことさらにアピールすることがあるとされ、ジャニーズの関係性の中では、それが表に出やすいのかなと感じています。体育会系のノリで、アイドルたちが下ネタで盛り上がるのも、その一例です。「自分は異性に興味がある」「同性愛者ではない」と主張するため、男らしさを強調し、女性を下に見るような、保守的なジェンダー観と結びつけた発言を、あえてしている面もあるのではないでしょうか。

――「女性を下に見ている」という点なのですが、ジャニーズアイドルは、「男性ファン」がつくことをことさらに喜ぶ傾向があります。女性より男性に認められたいのかと、疑問に思うファンも、ネット上で散見されています。

田島 アイドル自身に、「男性に認められてようやく一人前になれる」といった感覚があるとすれば、これもまた、古い「男性優位」の考え方ですね。実は70年代のアイドル誌を見ていると、アイドル自身が「アイドルって、下に見られている気がする」「歌手と呼ばれたい」などと主張することがあり、これはつまり「アイドルは女・子どもに好まれるもの」「歌手(アーティスト)は男性に好まれる」といった価値観があったのかもしれません。70年代の方が、よりそれが顕著だった印象ですが、今もジャニーズ事務所を飛び出して、アーティスト活動を始める人もいますし、その傾向は続いているとも考えられます。

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