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吉本興業、地に落ちたイメージは回復できる? リスク管理の専門家が「すべきこと」を解説

2019/08/01 16:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 つまり、現状吉本興業は、「社外向け」に関しては、リスク管理の手順通りに対応を進めているということになるが、白井氏いわく今回の件では「もう一つ重要な点がある」とのこと。それは、問題になっている「コンプライアンス」と「パワハラ」が、「最もリスク管理が難しい」ことだという。

「反社会的組織の遮断という問題は非常に難しいです。例えば、反社と関わる闇営業を『するつもりはない』『過去にもやったことがない』というタレント・Aさんがいたとします。Aさんは、ある人物から闇営業の誘いを受けたものの、話を聞くうちに、相手が反社だと気づいた。そのタイミングで話をなかったことにできればいいのですが、相手から『あなたの事務所のBさんもCさんもやってるよ』『黙ってれば、事務所にはわからないよ』などと言われ、取り込まれてしまう――実はこういうケースは結構あります。このような『反社からの誘いを断りづらい』状況になったときに大事なのが、タレントと会社が“協力して”、拒否することなんです。『反社との関わりについてはタレント個人の責任であり、発覚した場合は懲罰を与える』といった現状のままのルールでは、根本的な問題解決にはならない。会社として本気で反社のつながりを排除していきたいのであれば、タレントと一緒に取り組んでいくべきでしょう」

 また、パワハラに関しては、加害者側が気づかずにやっているケースがほとんどであるため、その改善は簡単なことではないという。

「岡本社長も、『場を和ませる冗談のつもり』と言っていましたが、その言動が相手にどれだけの精神的苦痛を与えたか、気づいていなかったのでは。社内でパワハラのリスクを低減させるためには、かなり細かく『こういうことを言う/すると、パワハラに認定される』と、具体的な事例を社員全体に知らしめ、研修などで現場に落としていくことが大切です。なお各職場の現状によって、パワハラの具体的な事例は変わってきますから、それに応じる内容でなければいけません。経営アドバイザリー委員会が、社内向けのルールを作る際、その点を研修やテストなどに落としていけるかはポイントですね」

 なお、「声の大きな人が、気の弱い人に圧力的に大声出しただけでも、パワハラ。あるいは、『できない』とわかっている社員に重たい業務を振ったり、逆に優秀な社員に無駄な作業をさせるのもパワハラに当たる。その範囲は深くて広いのです」というだけに、「『パワハラはダメです』と言うだけは、まったく効果がないと考えられます」とのことだ。

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