“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第469回】

吉本興業問題で強固になった「松本人志」の支配とテレビ局のタブー

2019/07/30 21:00
神林広恵
「女性セブン」8月8日号(小学館)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

 びっくりした。丸山穂高議員の「NHKから国民を守る党」入り。そして丸山議員の人相がさらに悪くなっていたこと。しかもTwitterで「丸山、動きます」なんてパクリも。こんな政治家が跋扈するニッポンって――。

第469回(7/25〜7/30発売号より)
1位「松本人志 元マネ幹部『支配』に加藤浩次が突きつけた覚悟の『反旗』!」(「女性セブン」8月8日号)
2位「SMAP 9月結集へ!『新しい地図』地上波復活で『和解への道』」(「女性自身」8月13日号)
「『SMAP共演を実現させて!』ジャニーさんお別れ会急転延期とコンサート会場で!の祈り」(「女性セブン」8月1日号)
3位「『沖縄』を知らない安倍首相へ」(「週刊女性」8月13日号)

 いまだ連日のようにワイドショーで取り上げられている吉本興業問題。しかし、“加藤の乱”も、なんだか尻つぼみの様相で、岡本昭彦社長ら上層部の責任もうやむやに!? そんな雰囲気の中、しかし一部メディアでクローズアップされてきたのが松本人志の“吉本支配”だ。

 たとえば「週刊文春」(8月1日号・文藝春秋)では「松本人志が牛耳る吉本興業の闇」と題して松本が吉本で絶大な権力を持っていることを報じているが、「女性セブン」も同様に松本の絶大な影響力について報じている。

「騒動渦中に颯爽と現れ、吉本興業の最高幹部と話をつけ、会見まで開かせた“救世主”松本人志。人気トップクラスの大物芸人であることは間違いないが、会社中枢にまで絶大な影響力を持つ存在だったとは知らなかったという人も多いだろう」

 さらに大崎洋会長、岡本社長、藤原寛副社長といった経営中枢が、歴代の松本、ダウンタウンのマネジャーだったことも指摘、「ダウンタウンは東京で当代一の人気者になった。彼らを成功させた大崎さんは社内で絶大な存在になり、その“右腕”の岡本さんも社長まで上り詰める」(芸能関係者のコメント)と記している。

 そう、今回の最大の問題である大崎会長の独裁的社内支配の背後には、松本の存在があることを“ほめ殺し”ながらも指摘したのだ。さらにこんな記述も。

「岡本社長は松本さんの前では礼儀正しい印象ですが、ほかの人の前では……」(同)

 ダウンタウンの人気を背景に吉本興業でのし上がった大崎会長とその右腕として出世してきた岡本社長。そうした経営陣の中、松本は吉本興業で絶大な影響力を持つようになった。「セブン」ではそうした構造、問題の本質を指摘したといえる。先週、この問題に関し、「女性自身」と「週刊女性」があまりに本質とかけ離れた記事を掲載、今週も “松本支配”には踏み込んでいないことに比べても、まっとうだ。

 そしてこの記事を読んで思い出した。3年ほど前にも、「セブン」が掲載した“松本マッチョ”記事に松本が激怒しトラブったという一件があったことを。まあ、今回の報道とは関係ないと思うが、いずれにせよ、一部だが紙媒体では“松本支配”が指摘されるようになった。しかし、これがテレビ・ワイドショーで取り上げられることはない。たとえば『直撃LIVEグッデイ!』(フジテレビ系)で島田紳助が「週刊文春」や「週刊新潮」(新潮社)の取材に応じたことが紹介されたが、しかし「文春」の「松本人志が牛耳る吉本興業の闇」といった誌面、タイトルは不自然なくらいにスルーされていた。現在では吉本興業と岡本社長批判はオッケーでも、“黒幕”松本批判はタブー。それどころか事態の収束ができる“唯一の救世主”とさえ持ち上げられている。この騒動でテレビ局の“松本タブー”は今まで以上に強固になったかも。

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