ロングインタビュー第1回

【幸福の科学学園1期生が語る1】「私は選ばれた人間」と思った――大川隆法氏登場に涙した入学式(追記アリ)

2019/08/17 16:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman
幸福の科学学園公式サイトより

 

【サイゾーウーマン編集部より】

 8月17日~20日掲載の「幸福の科学学園1期生が語る」全4回のインタビューに関して、幸福の科学広報局より、下記の申し入れがありました。

「本記事は、極めて偏った個人の見解のみを取り上げたものであり、幸福の科学学園やハッピー・サイエンス・ユニバーシティ(HSU)の実像や信仰生活のあり方、信者の生活信条について、実際の姿を伝えているとは到底言い得ないものだと考えます。本記事には、極めて多くの事実誤認が存在しますので、主なものについて、記事内で当グループの見解を提示させていただきます」

 編集部は幸福の科学広報局の見解を拝受し、その内容に一部に疑問点が生じたので、追加質問状を送付し、回答いただきました。当初、幸福の科学広報局は「追加質問と回答の掲載をお断りします」とのことでしたが、編集部より「追加質問内容」に関しては、編集部側の公表権にのっとり掲載する旨を伝えたところ、公平性の観点からどちらも「全文掲載」してほしいとの申し入れがありました。幸福の科学学園1期生Aさんの実体験を読んだ上で、幸福の科学広報局と編集部の一連のやりとりを当該ページの下部に掲載いたしますので、見ていただければと思います。

 なお幸福の科学広報局より、「本記事は、事前に当グループへの事実確認が全くないまま作成されたものであり、当グループが申し入れを行った後で、漸く質問状が届くというものでした。これは、『公平性と正確性』というジャーナリズムの基本を外したものであると同時に、宗教に対する著しい偏見に基づくものであると言わざるを得ません」との見解が届きました。編集部は、「宗教における2世信者の抱える葛藤」が世に出にくいという背景を踏まえ、社会に問題提起したいという思いから、表現の自由、言論の自由のもと、内容に真実性や批評性があると判断した上で、このインタビューの掲載に至りました。


 2017年2月、女優・清水富美加(現在は法名・千眼美子として活動)が突如、「幸福の科学」に出家する騒動が起こり、世間を騒然とさせた。宗教団体「幸福の科学」――1986年に立宗した、地球の至高神エル・カンターレを本尊とする新宗教で、創始者兼総裁である大川隆法氏は1億5千万年ぶりに降臨した地球神エル・カンターレの本体意識であり、人類救済の使命の下に活動を行っているという団体だ。以前からその名前を知っている人は少なくなかっただろうが、若手女優・清水の出家によって、あらためて幸福の科学が注目され、さらに昨夏には、17年末をもって教団から離れた大川氏の長男・宏洋氏がYouTuberとしてデビュー、内部事情を赤裸々に語る動画も話題を集めるようになった。一方、政界においても、09年に発足した「幸福実現党」の動向がメディアに取り上げられることがある。

 そんな幸福の科学だが、「今の日本を救うため」に、教育改革にも尽力していることをご存じだろうか。10年、全寮制の中高一貫校「幸福の科学学園」を栃木県・那須塩原に、さらに13年には滋賀県・大津に関西校を開校している。生徒は、信者の子どもであるいわゆる“2世”だというが、一部週刊誌で「授業で幸福の科学の教義を刷り込んでいる」といった内部の様子が報じられたことがあるものの、その実態はほとんど表沙汰になっていないのが現状だ。幸福の科学学園で、生徒たちは何を学び、どのような生活を送っているのか――今回サイゾーウーマンでは、幸福の科学学園1期生であるAさんのロングインタビューを4回にわたって掲載する。第1回では、母からの勧めだったという入学の経緯、出席者全員が涙したという「伝説の入学式」について、当時の心境もあわせて話してくれた。

幸福の科学学園への入学は生まれる前からの約束

――幸福の科学学園の1期生とのことですが、入学に至った経緯を教えてください。

Aさん(以下、A) 初期の頃からの会員である母の勧めです。私が1994年生まれで、たまたま高等部1期生として入れる年に、学園の開校が決まったというのが、入学の理由。幸福の科学では、人は「親子の約束」や「人生計画の約束」をしてから生まれてくると教えているので、私は「1994年に生まれて1期生として学園に入る」というのも、やはり生まれる前からの約束である、と感じたんです。当時は、「選ばれた人間の証し」みたいに思っていました。母も「素晴らしい! やっぱりうちの子は選ばれているんだ!」と喜んでいましたね。

――入試はどのような感じだったのでしょうか?

A 私は推薦入試で合格して入学しました。ただ、あとからわかったことなのですが、中学2年生のとき、母から参加するように言われた、幸福の科学グループ運営の「仏法真理塾サクセスNo.1」の合宿が、実質的に1期生の入学可否をジャッジする場だったようです。実際に入学したら、合宿で一緒だった子がたくさんいました。「あれ? あの子もこの子も、合宿にいたなぁ」って。ただ、合宿には参加せず一般入試で入学した子も全体の1~2割くらいいました。生徒は全員、幸福の科学の信者を親に持つ子どもでしたね。
【幸福の科学広報局コメント1】 【幸福の科学広報局コメント2】

――合宿が入学選考の場だったとわかったきっかけは?

A 学園に入って2~3年たった頃に、母からサラッと言われたんです。それまで「まさか……」と思っていたので、驚きました。

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(追記)

【幸福の科学広報局コメント1】
本記事では「幸福の科学グループ運営の『仏法真理塾サクセスNo.1』の合宿が、実質的に1期生の入学可否をジャッジする場だった」としていますが、そのような事実はありません。同学園の合否は入学試験によって公正に決定されております。

◎編集部からの追加質問
1.「2019年度(平成31年度)幸福の科学学園募集要項」には、「宗教法人『幸福の科学』設置の仏法真理塾『サクセスNo.1』の推薦を受けた者は、特に考慮します」の一文が確認できますが、具体的にどのような「考慮」がされるのでしょうか。

2.「サクセスNo.1」の推薦を受けるために「合宿参加は必須」ということはありますか。

◎幸福の科学広報局からの回答
サクセス推薦と合否の関係等については、公表していません。

【幸福の科学広報局コメント2】
本記事では、「(同学園が)1 期生から生徒数が足りないなんて恥ずかしくて公表できないと思うので、恐らく合宿に参加した子は、ほとんど全員受かったんじゃないでしょうか」としていますが、事実に反します。同学園の志望者は定員数を大幅に上回っており、公正な入学試験に基づき選抜のうえ、1期生は定員以上の生徒が入学しています。

◎編集部からの追加質問
1.「J-CASTニュース」 2010/4/10配信記事「東大と医学部目指す『エリート校』幸福の科学が全寮制中高を開設」では、「10年1月に、全国7か所の教団施設で行われた入試では、中学校60人、高校100人の募集に対して、それぞれ170人、168人が受験。合格者数は中学校が77人、高校が120人だった」とありますが、この数字に間違いはないでしょうか。

2.「合宿に参加した子は、ほとんど全員受かった」は事実に反するとのことですが、合宿参加者数とその合格者数の数字をお教えいただけますでしょうか。

◎幸福の科学広報局からの回答
2010年1月の中学受験者総数は、172 名でした。高校受験者は報道の通りです。合宿参加者数の総数については、公表しておりませんが、学園受験者数を上回っています。

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