コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

難関私立の合格を蹴ってまで――中学受験生の母が、息子の「呆れた志望動機」を受け入れたワケ

2019/06/23 19:00
鳥居りんこ

 “親子の受験”といわれる中学受験。思春期に差し掛かった子どもと親が二人三脚で挑む受験は、さまざまなすったもんだもあり、一筋縄ではいかないらしい。中学受験から見えてくる親子関係を、『偏差値30からの中学受験シリーズ』(学研)などの著書で知られ、長年中学受験を取材し続けてきた鳥居りんこ氏がつづる。

 中学受験は12歳(または11歳)の受験である。つまり、生まれて、まだ10年ちょっとしかたっていない“子ども”が臨む受験だということが最大の特徴になる。

 精神年齢が高い子どもの場合、自分なりに自身の人生をどうプロデュースしていくのかという視点で中学受験を考えることができるので、親としても安心な面はあるのだが、多くはその域には到達していないため、どうしても親主導という面は否めない。

 そうかと言って、勉強するのは子どもであるし、実際に受験した中学に行くのも子ども自身。ゆえに、親もどこまで子どもをコントロールするべきか迷うところである。筆者はこのことを指し、「中学受験はポケモン(子)とポケモントレーナー(親)の共同戦線である」と称しているのだが、たいていのポケモンは思い通りには進化をしてくれないので悩みが深くなるのが常なのだ。

 それを打開するために、親はどうにかモチベーションになるものを探そうと躍起になる。例えば、親が気に入っている中学の文化祭やオープンスクールに子どもを連れて行き、こう囁くのだ。

「来年はここで、あなたが受験生のお世話をしているかもよ? だから、勉強、頑張ろうね!」

 これで親子の意見が一致すれば、何の問題もない。その中学に向かって、全力で頑張るのみだ。しかし、往々にして子どもに親の思いは届かないものなのである。

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