コラム
知られざる女子刑務所ライフ62

元女囚が考える「致死量100倍の覚醒剤」――あれはシャブをよく知らない人の使い方

2019/04/07 16:00
中野瑠美

 それにしても被害者さんは、相当苦しかったと思います。私も量が多かった時は、少し「菊の悶々」がフワッと緩んだ記憶がありますね……。

 死刑を執行する時にも紙おむつをはかせるそうですが、これは体の穴がぜんぶ開いちゃうからだそうで、OD(オーヴァードース、過剰摂取)もそんな感じです。

 私も大昔ですが、打ったあとに間違えて、もっぺん打って(「追い打ち」いいます)しまい、この時は死を覚悟しました。もう心臓バックバクなんてもんと違いますよ。目にシャッターが下りたような感じで、開けていられないんです。もちろん「穴」も開いちゃってる感じで、やっぱり漏れそうでした。0.3グラムでこれですよ?

 それに、たとえ10億円の現金が手元にあっても、私なら200万円の覚醒剤をイッキに使うことはないです。単純に「もったいない」からです。つまりこの事件は、「シャブのことをよう知らん人」がやらかしたのです。これも推理でしかないですが、加害者さんはお金だけはようけあるから、売人に「これ全部イッたら、オンナはヒーヒーですわ」(想像)とかなんとか言われて、「全部」を「イッキ」と間違えたんちゃうかなあ……と。それ以外は考えられないです。

 いずれにしても、お気の毒なお話です。被害者さんのご冥福をお祈り申し上げます。南無阿弥陀仏。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)」

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最終更新:2019/04/07 16:00
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