コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

「テストの点改ざん」「親のお金を盗む」中学受験どころではなくなった、元優等生女子の復活劇

2018/11/25 16:00

 ドクターは雄介君のお母さんである美和子さんにこう言ったそうだ。

「これは過労のようなもの。小学生にこんな生活をさせて……。塾も水泳もなんて、とんでもない。どっちかやめないと、また入院することになるよ! お母さん、勉強より命の方が大事でしょ?」

 美和子さんはこのドクターの言葉に打ちのめされ、「良かれと思っていたことなのに、私は最愛の息子に無理をさせていたの?」と苦悶したそうだ。

「私は人から指摘されないとわからないくらい、受験にのめり込んでいたみたいで、肝心な息子の体力を過信していたんです……。でも、水泳が生きがいのような雄介から、水泳を取り上げることはできません。なので、残された選択肢は1つしかありませんでした」

 それは、問答無用での退塾。しかし、夏が過ぎて秋を迎えた頃、体調が回復した雄介君は、美和子さんにこう切り出したという。

 「ママ、もう1回、中学受験塾に行かせてもらえないかな? 中学に入った時のことを考えたら、やっぱり地元のプールなしの学校よりも、あの私立中学に行きたい。あそこで思い切り、泳ぎたいんだよ」

 6年生での半年間のブランクは相当だろう、これを今から挽回できるのか? と美和子さんは躊躇したそうだ。加えて、雄介君に無理だけはさせたくないという気持ちもあったという。そこで、以前通っていたような集団塾は諦め、個別塾に切り替える作戦にしたそうだ。

 「個別塾の先生が『お母さん、受験は期間ではなく熱量ですよ』っておっしゃったので、それならば、雄介にやる気がある以上、親は応援あるのみだと思いました」と美和子さん。雄介君は「もう、あんなヘタはこかない」と言い、受験が終わるまでという条件でスイミングスクールを週1日に減らす。そして、遅れを取り戻すべく、個別塾でただひたすら、志望校の過去問を解き続けていたそうだ。

 その甲斐あって、雄介君は見事に第1志望校に合格。今現在は強豪水泳部で活躍中とのことだ。このケースは、中学受験がいかに小学生にとって過酷なものかを実感させられるとともに、小学生とはいえ、本人が決めた意志はやはり強いのだなぁと感心させられた出来事となった。

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