コラム
「元極妻」芳子姐さんのつぶやき33

山口組再統合の陰で厳しくなる暴力団情勢——元極妻が語る、ヤクザがうつ病になる理由

2018/08/26 16:00
今年5月、東京・浅草の三社祭の最中に乱闘騒ぎを起こし、山口組系幹部ら5人が逮捕された

 今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。

■浮かんでは消える統合のウワサ

 今年の夏は猛暑から急に涼しくなったり、豪雨や台風が続いたりと、本当にしんどいですね。被災地の皆様には、心よりお見舞い申し上げます。

 私にとってこの夏は生まれて初めての本が発売され、猛暑とともに生涯心に残る年になりました。支えてくださっている皆さまに、心より御礼申し上げます。

 3年前の2015年8月27日、山口組が分裂しました。お盆を過ぎたくらいから「山健組を中心に割れそう……」とのお話が聞こえてきて、いろんな意味で「まさかね」という感じでした。もっと前のことのように感じますが、まだ3年しかたっていないのですね。

 山健組は、田岡一雄三代目の側近中の側近・山本健一さんが設立された組織で、渡邉芳則五代目の出身母体でもあります。六代目山口組の若頭補佐で山健組を率いていた井上邦雄組長は温和で知られていて、「出て行くなんて信じられない」と言われていたのです。でも、その「まさかの事態」となり、さらにそこから任侠団体山口組(現・仁侠山口組)も分裂していくわけですが、再統合のウワサも絶えず、毎日いろいろな情報が聞こえてきます。意図的に、いろんなウワサが流されているとの説もあるほどです。

 「週刊実話」(2018年9月6日号・日本ジャーナル出版)は、ストレートに「山口組『再統合』激震情報」と題して、「六代目山口組への任侠山口組“合流説”の真贋」を伝えています。

 同じ号に拙著『極姐2.0』(徳間書店)の書評が出ているのは偶然として(苦笑)、山口組の関係者以外の方も分裂・再統合問題には注目されていることがよくわかります。皆様が心配されるような大規模抗争にはならないと思うのですが、分裂をめぐっては実際に街中での殺人も起こっていますから、杞憂とまでは言い切れない……というのは、確かにそうですね。

 実際には15年の分裂直後から再統合の話はあり、他組織の親分や元弁護士さん、マル暴刑事さんなどが再統合に向けて動いていると聞いています。

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