コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

斉藤由貴は、なぜ“魔性のオンナ”なのか? 結婚・仕事・父との関係に見る“条件”

2017/04/27 21:00
『ETERNITY』/ヤマハミュージックコミュニケーションズ

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「父の一言がきっかけでした」斉藤由貴
「週刊SPA!」(扶桑社)5月2・9日合併号 

 そういえば、最近“魔性のオンナ”といわれる有名人がいない。“魔性のオンナ”とは、ただ単に、恋多き人のことではない。女性側は、世間を騒がせても、仕事を前向きに、旺盛にこなすが、男性側は没落したり、場合によっては命を落とす。それでも寄って来る男性が後を絶たない女性を指す。

 婚活で知り合った男性から金銭の援助を受けた後、彼らの殺害に及んだとされる木嶋佳苗死刑囚。彼女は、美人でもスリムでもないのに、たくさんの男性から金を集めたことから、“魔性”呼ばわりされたが、私に言わせると少し違う。木嶋がしていたことは、婚活ではなく、出資者を探すという“ビジネス”である。その証拠に木嶋は、相手を選ばない。被害者の中には70~80代の男性もいたが、木嶋は援助が約束されれば受け入れていた。

 ついでに言うと、70~80代の男性から見れば、当時30代の木嶋は十分若い。芸能人になるというなら話は別だが、一般人の場合、若さや美しさは隣にいる人との比較なので、競争率の低い場所に行きさえすればいい。それを木嶋はよく知っていただけの話だ。このからくりに気付かない女性論客たちをあざ笑うかのように、木嶋は「週刊新潮」(新潮社)に手記を寄せ、「今の夫(筆者注:木嶋は獄中で二回結婚している)は、私の体型を殊の外愛している」と「太っていても愛されるワタシ」アピールをかかさない。

 話を“魔性のオンナ”に戻そう。斉藤由貴は、今の若い人にとっては「50代なのに、きれい」な女優の1人だろうが、実は90年代、“魔性のオンナ”として鳴らしていた。斉藤は、「少年マガジン」(講談社)主催「第3回ミス・マガジンでグランプリ」を獲得し、正統派アイドルとしてデビュー。NHK連続テレビ小説のヒロインを演じ、『NHK紅白歌合戦』ではキャプテンも務めた。敬虔なモルモン教徒といわれており、酒もタバコも禁止されているため、映画の撮影で苦労したなどと語るなど、典型的な清純売りをしていた。

 しかし、「月刊KADOKAWA」(角川書店)で対談した歌手・尾崎豊との小樽不倫旅行を写真週刊誌に撮られ、尾崎に妻子があったことから、斉藤は窮地に立たされる。斉藤は尾崎との関係を“同志”と左翼的な言葉で説明、尾崎が家庭に戻ったことからうやむやになったが、今度は川崎麻世との不倫がリークされた。この頃には完全に“魔性”枠に入れられるようになっていたように思う。

 斉藤はその2カ月後に、信仰を同じくする一般人男性と知り合い、10日後にはその男性を実家に招いて、結婚の挨拶をしていたという。不倫が続いてイメージダウンを恐れた教団と斉藤の父が、彼女にふさわしい男性を教団の中から探したという報道もされていた。前の恋愛から時間がたっておらず、教団が介した出会いというと、“強引にくっつけられた”とイメージしてしまうが、記者会見で「彼は(私より)父と仲が良い」「彼が私を好きな気持ちよりも、私が彼を好きな気持ちの方が大きい」と発言していたところから察するに、本当に恋したのだろう。過去をぐだぐだ引きずらないのも、前向きな“魔性のオンナ”らしいと感じる。

アクセスランキング

今週のTLコミックベスト5

  1. 塩対応な私の旦那様はハイスペックな幼馴染!?~トロトロに甘やかされて開発される体~
  2. 交際ゼロ日で嫁いだ先は年収5千万円のスパダリ農家~20歳、処女を弄ぶ優しい指先~
  3. お花屋さんは元ヤクザ~閉店後の店内で甘く蕩ける~
  4. 体育会系幼馴染は世界一の溺愛男子~全人類の好感度がある日見えたリケジョの私~
  5. 淫魔上司は不器用な溺愛男子~インキュバスが魅せる激甘淫夢は人外の快感~
提供:ラブチュコラ
オススメ記事
サイゾーウーマンとは
会社概要
個人情報保護方針
採用情報
月別記事一覧
著者一覧
記事・広告へのお問い合わせ
プレスリリース掲載について
株式会社サイゾー運営サイト