カルチャー
インターネット依存国際ワークショップ2016レポート

世界で深刻化するネット依存 専門医が指摘する、対策を阻むゲーム会社の存在

2016/12/15 15:00

■「父親は家庭に無関心、母親は過干渉」が子どもの依存を加速させる?

 以前、ネット依存に取り組む団体「angels-eyes」の遠藤美季氏に取材をした際に、子どものネット依存は、日常的な親の過干渉も原因のひとつになることがあると話があった。シンポジウム当日の会場でも、子ども(大学生)のネット依存をなんとかしたいという保護者からの声があったが、大学生ならもう放っておくか、突き放せばいいのに……と、思わず子ども側に同情してしまった。

 シンポジウム内でも、父親が子どものネット依存問題に対し非協力的で、母親だけがあれこれ心配しているケースは、(対策が)うまくいきにくいと話があった。父親が生活費を稼ぐ以外の家庭人としての役割を果たさず、母親が心配しすぎて空回りしている家庭は、とても多そうだ。母親の子どもに対する「あなたのことを心配している」という思いは問題をかえってややこしくする場合があり、それを肝心の母親自身はまったく気づいていないのが「母の愛」の罪深いところだ。

 もちろんゲーム会社の過剰な射幸心をあおるような仕組みは問題だが、コンテンツやネットだけが悪いのではない。何を考えたくなくて、ネットに逃げているのか? 自分のネット利用は自分の人生を食いつぶしていないか? 自分のネット利用は自分を幸せにするために使われておらず、むしろ自分を苦しめていないか? 子どもも大人も、ネットを使う人は一度、パソコンやスマホから離れて、じっくりと考えてみてほしい。

石徹白未亜(いとしろ・みあ)
ライター。専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)。
いとしろ堂

最終更新:2016/12/15 15:00
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