インターネット依存国際ワークショップ2016レポート

世界で深刻化するネット依存 専門医が指摘する、対策を阻むゲーム会社の存在

■依存対策の先進国である韓国も、ゲーム会社の圧力に屈する?

 ネット依存対策の先進国である韓国からは、Jung Seok Choi医師、Keun-Ho Joe医師が講演を行った。韓国ではネット依存傾向のある子どもを対象にした宿泊型プログラムがあり、すでに500人以上が参加しているという。低所得家庭の子も加われるよう参加費用も抑えているという。さらに小学校4年、中学1年、高校1年の生徒に対し、各学校でネット依存に対するスクリーニングテストを受けさせるなど、国を挙げた取り組みが行われている。

 しかし、子どもの夜間のネット利用を禁止する法律はあったものの抵抗が強く、13年には「保護者が子どものネット利用時間を設定する」と大幅に緩和されてしまっている。さらに政府の通知も徹底していなかったため、この対策はほぼ行われていない状態だという。国会にネット依存管理法案も提出された

ネット依存対策を阻むのはゲーム会社 世界の専門医が治療の難しさを指摘

が、ゲーム会社からの反対が強く否決されている。ネットやゲームが国家的に見過ごせない経済規模になっていることが依存対策への取り組みをさらに難しくさせており、これは日本も同様だろう。

 インドネシアからはKristiana Siste医師が来日。日本と違い、若年層が多く、年齢別の人口構成比がきれいなピラミッド形になる若者の国インドネシアは、それゆえに若年層のネット依存が深刻な社会問題になっている。オンラインゲームを長時間やり続けていた若者が、直後に自殺するという事件も起きている。その若者がなぜ自殺したかはわからないが、ゲームに限らず、休日をネットばかりしていてあっという間に一日が過ぎ、たまらなく自分が嫌になる感覚は、私にも身に覚えがある。「こんなことをしているのは嫌だ」と“わかっていてもやめられない”のが依存の怖さだ。

■本人にネット依存の意識がないケースも

 この「インターネット依存国際ワークショップ」の初回が行われた12年は、日本にはネット依存対策を行う医療機関がなかったという。しかし、現在は約30まで増加した。

 シンポジウム後半では、国内で治療を行う希望ヶ丘病院(熊本)杉本啓介医師、岡山県精神科医療センター牧野和紀医師、大阪市立大学片上素久医師、久里浜医療センター中山秀紀医師による治療実態の報告があった。どの医療機関でも、10代の患者が一番多いという。

 子どものネット依存の場合、思春期は本人への成長が目覚ましい時期でもあり、また進学など環境ががらりと変わることもあるため、自然に治ってしまうケースもあるという。しかし「(思春期は)待つには、あまりに貴重な時期」と牧野医師。ただ、そのような治療現場の真摯な姿勢が患者である子どもに伝わりにくいのが、ネット依存治療の難しさだろう。

 依存外来に来院する子どもは本人の意思ではなく、親に「なんとかしてほしい」と連れてこられるケースが多い。反抗期でもある当人にしてみれば、面白くない状況だろう。インフルエンザやけがなら本人も治さねばと思うが、ネット依存は本人に「これはやばい」という意識が、そもそもないケースすらある。また、他人からネット依存だと言われたら、逆ギレし、受け入れられないケースもあるだろう(逆ギレするということは、思い当たるところがあるからだろうが)。これは依存治療ならではの難しさだ。

 「治療者としては、(子どもが)ネットに居場所を求める気持ちを理解してやらないといけない。治療者は中立であるべき。親の意向を子どもに伝えてはいけない。本人と家族の間の、ゆがみの調整役である」と片上医師も話す。

節ネット、はじめました。 「黒ネット」「白ネット」をやっつけて、時間とお金を取り戻す
やめたくてもやめられないのが麻薬と同じ

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