インターネット依存国際ワークショップ2016レポート

世界で深刻化するネット依存 専門医が指摘する、対策を阻むゲーム会社の存在

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Photo by Japanexperterna.se from Flickr

 アルコール、ギャンブル、ドラッグ依存よりも明らかに数は多いであろう、ネット依存。自分はネット依存だと認めない人もいるだろうが、食事中もスマホが手放せない、SNSの自分の投稿への反響が気になり何度もチェックしてしまう、休日がネットを見ているうちに終わる、嫌いな人のSNSや荒れている発言小町をあえて見に行ってしまうなどの経験に、身に覚えがあるのではないだろうか。

 ネット依存治療の先駆的存在である久里浜医療センターでは、2012年から世界各国の医師、研究者を招いたインターネット依存国際ワークショップを開催しており、第5回が11月20日に開催された。そこで感じたのは「ネット」の問題だけでなく、意外に「家族」の問題だった。

■アルコール依存やドラッグ依存と比べ、歴史の浅い「ネット依存」とその対策

 インターネットは普及して20年程度の新しいツールであり、スマートフォンに至ってはわずかここ10年間に、爆発的に普及した。よってネット依存対策についても、アルコールなど他の依存対策に比べ、後手に回っているという。これは日本に限らず世界各国でも同じで、そもそも、世界的に統一された診断基準や対応法がないのも課題だ。

 また、アルコールなど他の依存とネット依存の大きな違いは、未成年者の依存が深刻ということだ。私自身も、自分でもまずいと思うくらいネットにはまっていたのはフリーランスになりたての、ほぼ仕事がない時期だった。「金はないが時間だけはある」状態は危険だと身にしみている。しかし、「金はないが時間だけはある、だがやりたいことは特にない」という学生は、とても多いだろう。そんな大勢にとってネットは、通信費以外は金もかからず、家から一歩も出ずにできる、とても手ごろなレジャーだ。

 そう思うとネットは罪深いが、「ネット=悪いもの」ととらえすぎないことも大切だという意見は、複数の医師から出ていた。ネットがなければメールすらできないし、通信環境がなければ仕事にならない人も、今はとても多い。よって、アルコール依存の治療でとられる「断酒(酒を一切断つ)」のネット版「断ネット」を実現するのは現代社会に暮らす人にとってはほぼ不可能であり、「断ネット」でなく「節ネット」なのだが、「節制」は「一切禁止」よりも、ある意味難しい。

■「こうすれば絶対このキャラが出る」なら、ガチャの魅力はなくなる

 シンポジウム前半ではハンガリー、韓国、インドネシアから来日した医師らによる、自国のネット依存の状況や、ネット依存の最新研究についての報告があった。

 ハンガリーで依存症治療に取り組む、Zsolt Demetrovics医師は、オンラインゲーム依存について講演を行った。ユーザーにゲームを続けさせるポイント(逆に言えば、依存させるためのポイント)として「予想外の報酬」があるとZsolt医師。出るか出ないかわからない「ガチャ」など、まさにこの例だろう。現に、ソーシャルゲーム『グランブルーファンタジー』で、きわめて低確率で出現するキャラクターを出すために68万円課金した様子を動画サイトに流したユーザーがいて物議を醸した。しかし、このレアキャラクターがもし「これだけのことをすれば絶対出る」といったものであるならば、68万円課金した人は魅力を感じなかったかもしれない。「ものすごくがんばったら絶対出る」ではだめで「ものすごくがんばったところで、出ないかもしれない」から燃えるのだろう。パチンコと同じだ。

 さらにZsolt医師は、「どれだけ(の時間)ゲームをするか」を決めることだけでなく、「なぜゲームをするか」を突き止めることも大切だと話す。一般的に依存の問題は「1日に○時間もゲームをしてしまった!」といったように時間で語られがちだが、依存の背景にあるのは、子どもの場合は親のネグレクトや、抑うつやストレス、孤独感などが起因になっているケースもある。

やめたくてもやめられないのが麻薬と同じ

しぃちゃん

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