コラム
仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

中村昌也、「夫婦は合わせ鏡」という真実を教えてくれる“オレサマ”な一面

2016/01/28 21:15
中村昌也オフィシャルサイトより

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「(そういう女子とは、次は)ないなって思います」中村昌也
『ダウンタウンDX』(日本テレビ系、1月21日放送)

 後出しじゃんけんのようで恐縮だが、矢口真里の元夫・中村昌也のことを「この人、ちょっとズレてんなぁ」と思ったのは、結婚会見の際の発言だった。「貧乏で泣かすことはあるかもだけど、浮気で泣かすことはない」という発言は、10倍以上といわれた矢口との収入格差を自虐したのだろうが、「浮気しない」のは、収入格差の有無にかかわらず、夫婦間の当然の“決め事”であって、ウリにするほどのことではない。中村にとって矢口との結婚は、知名度を上げるきっかけであり、矢口は妻であり一種の恩人なわけだが、浮気しないと宣言するあたり、案外“オレサマ”なタイプかもしれないという印象が残った。

 その後、「やっぱりこの人、ズレてる」と思ったのは『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)での発言だった。「アイドルの夫大集合!」スペシャルに呼ばれた中村は、「あいつ、全然料理作らない」と発言。矢口はある日突然料理を作るのをやめたそうだが、中村いわく「今、料理本を出しても、競合相手がたくさんいるから」という矢口のビジネス上の判断によるものだったと語っていた。

 もしかしたら、矢口の賢さを伝えたかったのかもしれないが、少なからぬ女性視聴者は「文句言ってないで、おまえが作れよ」と思ったはずである。バラエティ映えする、妻より夫が“下”の格差婚は、夫が卑屈になることなく、妻を褒め、家事も嫌がらずに引き受けるのが鉄則だが、中村の「妻に稼がせて、家のことも妻にやらせる」というスタイルは、その点から言って最悪である。実状は別として「こう発言したら、どう思われるか」という想像力がないあたりに、何とも言えない無神経さを感じずにいられない。

 その後、矢口の不倫騒動があり、2人は離婚に至った。自分の留守中に妻が別のオトコを連れ込み、そこに鉢合わせしたとされる中村は、“時の人”となった。世間は浮気をされたオトコ・中村に同情的で、見ようによっては大きなチャンスだった。けれど、中村はそのチャンスを生かし切れているとは言いがたい。それは離婚の経緯を話さないということもあるが(矢口が復帰会見で、これが離婚の際の取り決めであると発言した)、最大の原因は、中村の言動がオンナのイラつくツボを押すからではないだろうか。

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