[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」11月号

「CLASSY.」がコンサバの三種神器「ヒール・コテ・白ワンピ」を斬り捨てた!

2014/10/11 19:00

 「こなれブームで、何かとヒールが合わせづらい今、長くなったボトムスはさらに難易度が高いよね」……この言葉に、こなれブームの大罪を見た気がしました。しっくりくる、スタイルが良く見える、最強の武器であり腹心の友だったヒールを取り上げられた悲しみ。トレンドってなに? 流行ってなに? 何のために生まれてきたの~と、心の尾崎豊がびしょぬれで叫びだしそうなこの座談会。かといって「自分たちの好きなものを着ればいい」と開き直ることもできない、おしゃれ外圧の恐ろしさたるや。

■ついに白ワンピがコスプレ認定された模様

 こなれカジュアルが奪ったものは、ヒールだけではありません。ヘアスタイルページ「今どきニュアンスヘアは『コテなし』のほうがうまくいく」では、ついにヒールと並ぶ彼女たちの聖域「コテ」にメスを入れています。「もしかしてまだコテ使ってるの? 実はコテを使わないことがうまくいくコツ!」と人気美容師さんがやんわりハッキリ「コテ」を完全否定!! その代わりに「お団子にして寝る」「ドライヤーでねじりながらハンドブロー」「マジックカール」などで、モデルっぽいボサボサしたヘアーを作れと提案しています。これを見た全国の「CLASSY.」女子たちは、さっそくお団子を枕に埋めて寝ることでしょう。だけどどう考えてもこれ、ほどいてからの処置にテクニックが求められますよね。「CLASSY.」なかなか酷なことをしなさる……。

 そんなナチュラルな無造作感が肝要のこなれカジュアルに押され、絶滅したと思われていたコンサバの代名詞・白ワンピ。それを思いがけないところで発見、いや発掘したので紹介します。「大人のためのハロウィン仮装入門」。「イタくならず、若いコたちよりグッとオシャレで、手軽に楽しめるCLASSY.流の仮装を考えてみました!」というこのページにそれはありました。「会社帰りなら……普段着+αの小物で手軽に仮装が正解!」という項目で、ウサ耳&しっぽに合わせられた、かつてのモテ王者・白ワンピ。「モテ度の高い白ワンピで変身! 可愛いウサ耳としっぽをON」。モデルさんを見れば、顔にはヒゲのペイント……完全に道化じゃないですか! そうです、もはや白ワンピはハロウィンの仮装にされるまで非現実のものと成り下がってしまったのです。白ワンピを着たきゃ、耳つけてしっぽつけてヒゲまで描かなきゃいけないという現実。これは「白ワンピってなんか重たいよね~」と男子諸氏に言わせるより数百倍効果がある、白ワンピ信者たちに向けられた“最後通告”と受け取りました。白ワンピを日常的に着ることは、エブリデイハロウィンと同じことなのです。

 「CLASSY.」の読み物ページは、「いかに女を上げるか」「こんな女を広告代理店勤務の男たちは求めているぞ」といった恋愛がらみのテーマが多いのですが、今号は虚言・被害妄想・人前で泣く・謝らない・ものすごくいい加減な困った人たちを取り上げた「身近にもウヨウヨいる“面倒な人たち”対処法」。なんだかこちらも「MORE」(集英社)っぽい。イイ男と結婚するという目標に向かって、ただそれだけをストイックに追い求めていた、まるでアスリートのような「CLASSY.」の小さな息切れを感じずにはいられません。浅田真央が休業して外の世界を見たいと願ったように、宇多田ヒカルが“人間活動”がしたいと願ったように、走り続けてきた者だけが感じる虚しさなのでしょうか。しかーし、「普通のOLさんになります!」と言いながら、常に相手を出し抜く準備は欠かさないのが「CLASSY.」、筆者はその姿を信じていますよ!
(西澤千央)

最終更新:2014/10/11 19:00
CLASSY. (クラッシィ) 2014年 11月号 [雑誌]
無造作ヘアに失敗したのが、表紙の小泉里子です!!
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