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女性は16歳で結婚できるのに、17歳と交際した狩野英孝が“淫行疑惑”と言われるのはなぜ?

2017/01/25 15:00

1701kanoeiko「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

<今回のテーマ>
狩野英孝の淫行疑惑騒動

■18歳未満の者とのすべての性交類似行為を禁止しているわけではない

 お笑い芸人の狩野英孝が17歳の女子高生との淫行疑惑で世間を騒がせている。狩野は1月21日に記者会見し、謝罪。所属事務所は無期限の謹慎を発表したが、ネットなどでは「女性は16歳で結婚できるのに、狩野が17歳と交際すると淫行疑惑になるのはなぜか」と話題になっている。そこで、淫行の定義などについて、アディーレ法律事務所の大西亜希子弁護士に聞いた。

 かつて、三船美佳が高橋ジョージと結婚した時は16歳だった(すでに離婚)。当時は特に問題視されなかったが、今回のケースでは、なぜ問題になっているのだろうか? 大西弁護士は以下のように説明する。

「東京都青少年の健全な育成に関する条例(以下「本条例」)に、『何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない』(第18条の6)とあり、青少年とは、『18歳未満の者』(第2条第1項)とされています。よって、狩野さんと18歳未満の未成年との性交類似行為は、本条例に反するようにも思えます。

 しかし、本条例は、18歳未満の者とのすべての性交類似行為を禁止しているものではなく、婚約中、またはこれに準ずる真摯な交際関係にある場合には、未成年者との性交または性交類似行為も、本条例における『みだらな性交又は性交類似行為』にはあたらないと考えられています」

 三船の場合は、当時16歳だったが、実際に「婚姻」をしたので、真摯な交際と判断され、問題にされなかったという。しかし、狩野と18歳未満の未成年者との交際については詳細がわからず、「結婚前提の真摯な交際」といえるかどうかが不明であるため、本条例に反するかどうか問題になっているのだ。

 実際に、「婚約中、またはこれに準ずる真摯な交際関係」であるかどうかの判断は難しく、大西弁護士は「本人たちの申告だけでなく、交際の経緯、期間、婚姻意思があるかどうか(婚約の有無、保護者へのあいさつなど)など、客観的な事情も考慮して判断されます」と説明する。

  ところで、「淫行」といえば、過去には、極楽とんぼの山本圭壱が2006年に淫行騒動を起こし、書類送検された(その後、不起訴)。所属事務所は契約を解除し、昨年、復帰するまで10年かかっている。また、1994年には、板尾創路が女子中学生にみだらな行為をしたとして、大阪府青少年健全育成条例違反容疑で逮捕され、罰金30万円の処分を受けた。板尾は解雇こそされなかったものの、約4カ月間謹慎した。もし、狩野が逮捕・起訴された場合、どのような罰を受けることになるのだろうか?

 大西弁護士によると、「2年以下の懲役、または100万円以下の罰金」(本条例第24条の3)と規定されているという。

 では今後、狩野が処罰される可能性はあるのだろうか?

「狩野さんと、18歳未満の未成年者との間に、『性交または性交類似行為』がなければ処罰の対象となりませんし、仮にそのような行為があったとしても『婚約中、またはこれに準ずる真摯な交際関係』であれば、処罰の対象となりません。また、18歳未満の未成年者であることをまったく知らなければ処罰されません」 

 会見で狩野は、女子高生との肉体関係については明言しなかったが、「(彼女が)22歳として知り合った」「彼女の父親にも会い、『娘が年齢を偽って申し訳ない』と言われた」などと話しており、これらの狩野の発言が真実であれば、罪には問われないということになる。

アディーレ法律事務所

最終更新:2019/05/21 20:06
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