仁科友里の「女のためのテレビ深読み週報」

二科展入選の押切もえが陥る、“努力”の落とし穴――なぜ自分を磨いても自信がないのか?

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いつの間にか自分磨きの代名詞に

羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな芸能人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます。

<今回の芸能人>
「いろいろなモヤモヤも晴れた」押切もえ
(二科展入選記者会見、9月2日)

 確か「CanCam」(小学館)だったと思うが、押切もえの「藤原紀香の大ファン」という発言を読んだことがある。「モデルとしての自己管理が素晴らしい、いつも努力を忘れない」といったことが、尊敬する理由だそうだ。

 努力家を尊敬する押切は、当然自身も努力家である。紀香の努力の方向性は、美貌のキープとチャリティーに向かったが、押切は自分磨きに照準を合わせたようだ。

 見た目だけでなく、中身も充実した女性となろうとしたのだろう、押切は英会話、フルマラソン、ゴルフ、アロマテラピー、ワインエキスパート、料理、テーブルコーディネートに挑戦し、造詣を深めていく。赤文字系雑誌のモデルは、人気スポーツ選手や資産家の男性と結婚することが多いので、ここまでであれば、社交を必須とする結婚生活に向けての花嫁修行と取れないこともないが、押切の自分磨きはここでは終わらない。気功、登山、座禅、農業と、なぜ取り組もうと思ったのか謎な分野にまで進出していく。

 今年の4月放送の『有吉反省会』(日本テレビ系)で、押切は「農業はもうやっていない、畑も手放した」と農業が趣味でないことを明かしたが、押切の自分磨きは、花嫁修業でもなく、また興味の有無や心身のリフレッシュでもなく、“第一人者になるため、ほかの芸能人がやっていないことなら、何でもいいからやらねばならぬ”という悲壮感の漂ったものに感じられることがある。

 私個人の感想は別として、押切の“多彩さ”は仕事につながっていく。ウェディングドレス、マンション、美容家電や温泉のプロデュースと、モデルに留まらず、活動の幅を広げている。が、それでもやはり私には押切が「充実している」ように見えないのだ。恐らく、これは押切が手を出す分野があまりに多すぎる、かつ脈絡がないので、「多芸は無芸」「器用貧乏」という言葉通り、「あれこれ手を出すと、結局どれも物にならず、中途半端に終わる」という印象を与えるからだろう。

自分を磨くってことは自分を削るってことなのかも

しぃちゃん

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