アイドルが強制猥褻被害を報告 セカンドレイプはもうやめよう

 7月25日に、講談社が主催するアイドルオーディション・ミスiD2015で吉田豪賞(unofficial)を受賞した、はのはなよさんが、強制猥褻の被害にあったとツイートし話題になっています(吉田豪賞については、ミスiD wikipediaとはのはなよさんのブログに詳しい)。

 はのはなよさんによると、25日26時頃に強制猥褻の被害に遭い、警察で任意の被害届を提出。口腔内のDNAを採取、下着の提出なども済み、供述調書の作成は後日となったとのこと。詳細はtogetterにまとめられています。

◎性暴力を受けるのは売名行為なの?

 togetterの冒頭には、提出届けの提出までの手順がまとめられています。ここで気になった点が3つほどありました。

・被害に遭ったはのはなよさんに対して、警察が被害内容を繰り返し話させること
・はのはなよさんのいた部屋の外から、「供述調書、必要?」という警察官(男性)の声が聞こえたということ
・対応した警察官がすべて男性だったこと

 先日、東京都が始めたワンストップ支援「性暴力救済ダイヤルNaNa」を紹介する記事がmessyに掲載されていますが、精神的・肉体的なダメージを負った女性に、余計な負担をかけるのは望ましくないことです。性暴力被害者の相談を受けている事業の中には、女性の相談員が配置していることを明示しているところもあります。これは同性だからこそ安心して相談できるという側面があるからでしょう。男性の警察官が、繰り返し被害内容を供述させたという点で、警察の対応は望ましくないものだったという印象を受けます。

 また、こうした告発が注目されるとセカンドレイプ発言が必ずといっていいほど出てきます。今回も残念ながらそれに該当する発言が見られました。

 セカンドレイプ発言でお馴染みのキーワードが「売名行為」。被害者は被害者らしく、しおらしくしていないといけないし、芸能人は「被害」に遭ってでも名前を売りたいと思っていると勘違いしている人がいるようです。

 そういえば、今年6月に、Jリーガーから「強制猥褻」を受けたとして被害届を出したグラビアアイドルの藍田未央さんも、後日、自身のブログで被害届を提出した経緯などをお書きになっていますが、彼女もまた「売名行為だ」とバッシングを受けていました。

◎24時間365日防犯意識?

 はのはなよさんは一連のツイートの中で、警察の対応や女性が気をつけるべき点を紹介されています(前述のtogetterを参照して下さい)。被害に遭ったばかりなのに、こうした対応をまとめるのは大変な苦労だったと思います。

 「売名行為乙」といった発言のほかに、「被害者が油断していた」「露出のある服を着ていた」といった発言も、セカンドレイプの中ではよくみられるものですが、これは「防犯意識が弱い人は被害にあって当然だ」という意識があるのだと思います。

 しかし、少し立ち止まって考えればわかることですが、なぜ加害者ではなく、被害者を咎めるのでしょう。犯罪が起きなければ、自衛の必要はありません。もちろん、これ以上被害者を増やさないために、はのはなよさんのように有効な自衛方法を紹介することは大切なことです。しかし、そもそもなぜ自衛が必要なのかを考えれば、自衛の有無をことさらに取り上げるのは論点がズレていることが分かります。

 今月初めに、コスプレイヤーの叶恵まそらさんとAV女優の河西あみさんが自宅に不審者が侵入されたことをツイートされていましたが、自宅ですら犯罪に遭うリスクがあるということは、24時間365日、常に防犯意識を持ちながら生きていかなくてはいけないということです。それが望ましいことだとは私には到底思えません。

 前述のtogetterには、アイドルの西田藍さんのツイートも多く参照されています。

はなよちゃんのツイート、実際参考になる、でも、じゃあ夜道を一人歩きを完全に避けることは不可能だし、ずっとずっと注意して気を張って24時間生活することも、女の子だけが自分を完全に自分を守ることは不可能。関係ないって思ってる人も防犯意識をちょっとでも持ってくれたらいいな。。
— 西田藍 (@iCharlotteblue) 2015, 7月 25

わいせつ被害に遭わないって思ってる人でも、自分の住む地域でそういう犯罪が頻発したら気分よくはないじゃん? 試しに防犯意識を高めて欲しいんだけど、みんな怪しく見えるし、日常生活では難しい。。 犯罪ゆるすまじな目で、生活しよう。。 よくあることで済ますのはやめよう。。
— 西田藍 (@iCharlotteblue) 2015, 7月 25

もし全裸で女性が寝ていたとしてもそれに乗じて犯罪をする人が100%悪いのです。。もちろんリスクは減らしたいって私も思うしなるべく工夫する。。でも、万全な対策なんてないのだ。。ゼロリスク信仰やめよう。。犯罪はゆるさないって強く思おう。。悪いことは悪い。。
— 西田藍 (@iCharlotteblue) 2015, 7月 25

 以前messyに書きましたが、個人に対して防犯意識を押し付けるだけでは被害をなくすことはできません。自身が被害に遭わないために、そして他の誰かが被害を遭わないために、社会全体で防犯意識を考えなくてはいけないのだと思います。
(門田ゲッツ)

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