『江戸の女子図鑑』著者インタビュー

結婚出産だけが女の人生ではなかった――『江戸の女子図鑑』で知る、現代女性の“選択肢”

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『絵でみる江戸の女子図鑑 (時代小説のお供に)』(廣済堂出版)

 「江戸の女性は当時、世界で最も幸せだった」――そんなことをどこかで聞いたことがあるだろうか。先日、江戸時代の女性たちの風俗について、ビジュアルを駆使してわかりやすく解説した小図鑑『絵でみる江戸の女子図鑑 (時代小説のお供に)』(廣済堂出版)の刊行記念イベントが、東京・代々木上原にあるサロン「三峰」で行われた。

 本書は、江戸時代の娘の日々の生活や習い事、ファッション、娯楽、さらに男性との出逢いと恋愛の作法、結婚と子育てなどについてイラスト付きで紹介した、江戸人文研究会編集の江戸小図鑑シリーズ第4弾。イラストレーターでもあり、江戸研究家の善養寺ススム氏が当時の錦絵(浮世絵)・双紙の挿絵をリメイクして、わかりやすく解説を加えた1冊だ。

 江戸時代に「間思考(ましこう)」(間=家族や町などの社会や空間)という独特の思考が育まれたと考え、研究している善養寺氏。歴史学の論文や通説をいろいろな角度から見ることで、江戸の新たな発見や、現代に通ずる風俗、あるいは取り入れられる可能性を考察している。

 イベントでは、女性たちのファッションや髪型、当時の女性たちの旅行スタイルや結婚・離婚などについて、本書に書かれている項目を詳しく解説。会場となったサロンでは、歴史好きの女性たちが集まり、学校では教えられない江戸女子の生態について熱心に耳を傾け、大学の講義さながらのアカデミックな雰囲気に包まれていた。

 善養寺氏は、「江戸の町娘は当時の先進国の中で一番幸せだっただろう」と語り、それは、現代ほどまでとはいわないが、自分の人生に選択肢があったからだという。当時の町娘たちの多くは、寺子屋などの基礎学習の後に、手紙の書き方、漢詩や和歌、舞や音曲、生け花などの習い事を楽しく熱心にしていた。教養を身につけ、「奥勤め」をするためであり、現代の大学受験や就活と同じだったという。そして見事合格して奥勤めをした後は、生涯女中を続ける人もいれば、途中で辞めて結婚する人もいたといい、結婚だけが人生ではなかったというのだ。

 善養寺氏のイラストでは、身分の違いや制限などはあれど、江戸の女性たちがとにかく自由にライフスタイルを選び、生き生きと暮らしていたことがわかる。260年に及ぶ戦争のない平和が江戸のこうした豊かな文化を育てたという善養寺氏に、70年近く平和が続いている現代を生きる女性はどう映っているのだろうか。イベントを経て、お話をうかがった。

ちょっと目線をズラすだけでラクにならない?

しぃちゃん

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