今井舞の「週刊ヒトコト斬り」

嫌悪感でタレントを連帯させる、「ビッグダディ」という装置の使い途

2014/04/18 21:00
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林下清志オフィシャルブログより

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎芳本美代子似というよりも
 ビッグダディ、再婚。いやー。社交辞令程度の「おめでとう」も感知されないって、すごい。テレビ画面に映るタレントみんなで、ビッグダディに対する「嫌悪感」を共有し、ぶつけることで画ヅラが成立してる。不快感をあらわにし、プロレス的に対立の構図を演じてみせる江角マキコ、「どーでもいい」という感情を直に表さず、歪曲させたいちびりを繰り返す小藪一豊、マジメに答えるビッグダディが冷笑されることを見越して、「んなこと聞いてどうすんだ」という質問をぶつけてみせるEXILE・TAKAHIRO。「ビッグダディってどこで服買ってるんですか?」とか、意外とTAKAHIROが一番底意地悪かったりして。そして当のビッグダディは……。自宅でディレクターとカメラ越しに話す時の尊大なテンションは意地でも崩さないんだけど、周囲との温度差は肌で感じて常にビクビク。これは典型的ないじめられっこの生体反応であるな。肉食魚の水槽に入ってるエサ用の金魚みたい。

 今回の新嫁ゲットによりエサ金状態での展示はしばらく続く模様だが。「芳本美代子似」というこの新嫁。芳本美代子っていうより、ディズニーアニメ『美女と野獣』の時計のキャラ(コグスワースっていうらしい)にすごく似てる。コグスワースのグラビアは、いくら何でもないと願いたいが。やるのか。それとも連れ子の女の子(18歳)でもう契約済みか。たとえマイナスの感情でも、反応する人間が一定層いる限り、首の皮一枚でビッグダディビジネスは続く。

 最初は「消耗戦」だと思っていたが、今はもう一つ進んで「臨床実験」の段階に入った気がする。ビッグダディ騒動後、日本人の体質が若干変わってたりしそうで、ちょっと怖いな。化学調味料に対する耐性が強くなってたり。

◎いま美保純に期待すること
 「楽屋に弁当が用意されてない」に続いて「小保方さん会見当日の放送で、小保方さんに関して何も言うなとクギを刺された。『割烹着』って単語を言うのもダメだって」と語っていた美保純。『5時に夢中!』(TOKYO MX)で彼女が流す『バイキング!』(フジテレビ系)裏情報は興味深いものがある。先日は「弁当がない代わりに、私専用のお菓子があった」と話し、こういう話題がここ経由で流れることを「よし」としているというフジ側の傾向も伝えていたが。現場の方では「小保方さんネタNG」のような核心的な部分を突かれるのを避け、違うところに注意をそらそうと必死になっているのではないだろうか。小手先のことに誤魔化されるな、もっと根幹のところを抉って来てくれ美保純。その「私専用のお菓子」は、ダミーだ。

◎ものまね騒動の産物
 「悪意がある」と非難殺到だというキンタロー。のE‐girls・amiのものまね。ものまねに対する感想で「悪意がある」って一番まぬけだと思うが。ものまねに悪意がある。だから何だ。この「悪意がある」って、今年の流行語大賞候補間違いなしだろうな。「悪意のない間違い」と「悪意のあるものまね」って、どっちがけしからんのでしょうか。アホか。

 それにしても、今回のものまね騒動で、「E‐girlsのami」の認知度は確実にアップした。こういうアプローチ法もあるってことか。認知できたおかげで、amiが瀬川瑛子似であることにも気づけたし。ビジュアルと口のもたつき方がホントよく似てる。amiが瀬川瑛子のものまねをしたら、かなりいい感じになると思う。そこに悪意があってもなくても。

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今井舞(いまい・まい)
週刊誌などを中心に活躍するライター。皮肉たっぷりの芸能人・テレビ批評が人気を集めている。著書に『女性タレント・ミシュラン』(情報センター出版局)など。

最終更新:2019/05/22 16:33
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