[女性誌速攻レビュー]「日経ウーマン」8月号

捨てたキャベツの葉で野菜炒め!? 「日経ウーマン」究極の節約レシピを公開

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「日経ウーマン」8月号(日経BP社)

 未曾有の大震災が招いた原発問題で、電気を大量消費する夏に向けての節電対策がさまざまなところで行われています。朝・夕の情報番組では、生活に取り入れやすい節電方法を紹介していますが、「日経ウーマン」読者にとってそんなことは朝飯前。なんてったって節電=節約だから。今年の夏から節電を始めたという節電ビギナーは、一度「日経ウーマン」を読んで節電・節約とはなんたるかを学んでみてはいかがでしょうか。きっと、背筋がシャキッと伸びるでしょう。そんな「日経ウーマン」今月号の中身を見ていきましょう。

<トピック>
◎心を満たす 夏の必読本220冊
◎月収10万円台でもどんどん貯まる 最強! 節約・貯蓄テク
◎今こそスマートフォン

■カツマーでは心が満たされない?

 大特集「心を満たす 夏の必読本220冊」では、著名人を中心に、テーマに沿ったお気に入りの本やオススメの本が紹介されています。「2011年上半期WOMAN読者のBOOKランキング」の好きな作家ランキング上位トップ3は東野圭吾、宮部みゆき、伊坂幸太郎。働き女子&節約女子が好みそうな、勝間和代女史や、経済アナリストの森永卓郎氏の名前はここ数年のランキングをさかのぼっても見当たりません。小説作家だけのランキングかと思いきや、「面白かった本ランキング」には、池上彰著『伝える力』(PHPビジネス新書)がランクインしているのでそうではない模様。

 仕事に生きる・習いごとで自分磨きをする・自己投資を怠らない、を信条にしている「日経ウーマン」読者は、小説よりもビジネス書を読んだ方が、仕事に生かせる考え方や生き方など、今後の人生で使える情報が得られると思うのですが……。しかも、ランクインしている本が『阪急電車』(有川浩/幻冬舎)、『八日目の蝉』(角田光代/中央公論新社)、『告白』(湊かなえ/双葉社)、『ノルウェイの森』(村上春樹/講談社)など、半数以上が映像化された作品ばかり。あ、もしかして「私たち仕事だけじゃなくて流行もきちんと追っかけてるのよ」というアピールですか? 

■捨てられた野菜を再利用!

 ほぼ毎月登場する節約特集とそれにまつわる読者アンケート。知りたくなくても見えてしまう「日経ウーマン」読者の手取り月収、年収、貯蓄額。そこから導かれるのは「安月給で頑張っている働き女子」「非正社員だけど頑張って貯蓄している働き女子」なるもの。貯蓄はあっても年収はない、やる気はあってもそれに見合う役職がつかない。そんな頑張っても頑張っても世間が認めてくれない不甲斐なさを”貯蓄”という目に見えるもので慰めているのではないかと思えてなりません。

 さて、特集内にある「節約読者の生活24時間まるっと公開」ですが、いつもの節約術かと思って読み進めていったら度肝を抜かれました。まさに、節約術・ここに極まり! といった感じです。「外出時には必ずブレーカーを落とす」は序の口。すごいのはここからです。

「週に2~3回は会社で出る給食の残ったごはんをもらって帰る」
「スーパーで捨てられているキャベツの外側の葉を活用して野菜炒めに」
「冷凍室は節電効果を高めるため空にせず、食材がない時はセーターなどを詰める」

 今までは、「相変わらず節約頑張ってるな~」と応援する気持ちを持ちながら読んでいましたが、ここまでくると、もう応援というよりも、援助を申し出たい気分になってしまいました。

 衝撃的な節約術を公開させられた後に、続くお笑いコンビたんぽぽの節約ライフ「雨水をためて洗濯に活用」「シートマスクは乾かして化粧水を含ませて3回ほど使いまわす」「電気代節約のため部屋の明かりは懐中電灯」というのも、普通に考えたら貧乏くさいのですが、先述した「スーパーで捨てられているキャベツの外側の葉を活用して野菜炒めに」の衝撃と、お笑い芸人の”ネタ”として読める分、どれもこれもほほ笑ましいエピソードにしか思えません。

 「日経ウーマン」読者もたんぽぽもやってることのレベルは同じなのに、なぜ「日経ウーマン」読者が哀れに思えてならないのか。「日経ウーマン」読者はいつだって真面目。仕事をするのも、節約するのも同じくらい真面目。他人が捨てたキャベツの外葉を拾って野菜炒めにするのも真面目にやってるし、冷凍庫にセーターを入れて節電するのもすべて「真面目」からくるもの。ネタにすらできない真面目さってなんて厄介なんでしょうか。

 ほかにも、別ページの「驚きの節約&家計管理術」では、「家電や洋服は譲ってもらう」という”GIVE ME 女子”や、「自宅では携帯を充電しない」「エアコンはつけず保冷剤で夏を過ごす」という”NO MORE 電気女子”が登場。英語で名前を付けてみると明るい感じになるかと思ったのですが、なんだか余計悲しい気分になってしまいました。

■郷ひろみの自分語りが止まらない!

 今月の草野ゼミはビッグゲスト・郷ひろみを迎えての拡大版。なぜ郷ひろみ? と思ったら、6月1日に40周年記念シングルをリリースしていて、10月まで全国各地でコンサートツアーを開催中だそう。その宣伝も兼ねての登場なんですね! いや~40周年なんて知らなかった~。
 
 二人の読者の質問に答えていくという恒例の流れなのですが、読者の質問に答えながら、郷ひろみはちょいちょい自分のことを入れてきます。

 遠距離恋愛をしている読者から「キャリアアップを目指して東京に残るか、地元に戻って彼と結婚するか悩んでいます」という悩みへ「大切なのは、自分の人生とどんな風に生きたいのかを考えること。僕の場合、最大のターニングポイントは、40代半ばで芸能活動を休止して、歌の勉強のために渡米したことでした。それによって手に入れたものは大きかったけれど、残念ながら2番目の妻は去っていきました(笑)」と回答。さらに、今まで男性と付き合ったことがないという読者から「小さい頃に両親が離婚しているせいか、理想の夫婦像がイメージできなくて……」と相談されると「理想の夫婦像なんてあるのかな。僕はこれまで2度の結婚生活を含めて5回の恋愛をしてたけれど、すべて相手からサヨナラされてる(笑)」とさっき話した離婚話に過去の恋愛話を乗っけてきて自分アピールに余念がありません。

 ここからエンジンがかかったのか、せきを切るように自分語りを始める郷ひろみ。自分の両親を見て気付いた夫婦のカタチ、渡米を決めるまでのきっかけなどを話す郷ひろみに呼応する草野満代。読者の悩みあっての企画なのに、いつのまにか郷ひろみ&草野満代の対談になっていました。

 お悩みコーナー(しかもモノクロ)に登場させるんじゃなくて、きちんとしたインタビューページに登場させてあげればいいのにと思いましたが、「日経ウーマン」の表紙はウーマンだけに女性のみ。大特集では本のことしか紹介できない。それだったらモノクロでいいから、その代わり俺のこと語らせてもらうぜ! といった取引があったのかもしれません。現に、拡大ページ分が郷ひろみの話になっていました。

 節電で躍起になっている今夏ですが、「日経ウーマン」では昔から当たり前にやってきたことで、本誌を読み終わるころには、こんなご時世だから節約をするのではなく、節電することは当たり前のことなのだと、改めて気付かせてくれました。そんな「日経ウーマン」がガチで節電特集組んだら節電対策にかなり貢献できると思うのですが、もはやネタにすらならない度肝を抜くような節約術を実践している読者がいる本誌。テレビのインタビューで「エアコンの温度を1度上げてます」「エアコンではなく扇風機を使ってます」なんて答えている人にとってはハードルが高すぎて誰も実践できない可能性大ですね……。みなさんも今年の夏は「日経ウーマン」読者を見習って、節電に力を入れましょう!
(エメラルド真希)

『日経 WOMAN (ウーマン) 2011年 08月号』

今年の夏は「日経ウーマン」女子が大活躍の予感?

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