[女性誌速攻レビュー]「VERY」5月号

「VERY」が「ミセスオーガニックさんって誰なんだ!?」って聞いてますけど?

very1105.jpg
「VERY」5月号(光文社)

 未曾有の大震災後、人々の価値観がガラリと変わりました。節電から波及した「無駄」への冷やかな目は、「自粛」「自重」という言葉に代わって、社会を停滞させています。そんな中で苦慮しているのが、華やかさと、ある意味での「無駄」を謳歌する役割の女性誌。震災後に発売された女性誌にはさまざまなメッセージが並んでますが、「VERY」のメッセージは端的。多くを語らずに伝えるってことは、非常に難しいことだと実感しました。というわけで、今回からはレビューも端的に伝えられるように、一層努力します。

<トピック>
◎ミセスオーガニックさんって誰なんだ!?
◎ピー子先生が指南役 4月の送り迎え”着まわし”術
◎ハンサムな部屋着ってありますか?

■上澄みの上澄みを掬うってこと?

 冒頭は真面目になってしまいましたが、今月号も見逃せないキャッチが表紙に躍っています。大特集「ミセスオーガニックさんって誰なんだ!?」。こっちが聞きたいわ! 時々、こうやって読者を試すようなことをするから、「VERY」との駆け引きって気が抜けません。というわけで、特集の方向性を示すページを読んでみると、「オシャレな人ほど、今、気持ちはオーガニック!」という言葉とともに、リードで長々と「オーガニックさん」(あくまでオーガニックの説明ではない)を語っています。

「ミセスオーガニックさん……それは、生活意識が高く、どちらかというと気持ちはオーガニック志向でエコだって忘れない、日々を丁寧に暮らしている主婦のみなさんのこと。(略)ファッションだって形だけのナチュラルじゃなくて、女らしさも忘れずに、”自分も周囲も心地よいのがカッコイイ”という新価値観が台頭(略)」

 だそうです。つまり、結婚・出産を経て、”女にとっての幸せ要素”をすべて手に入れ、母性というバイアスをかけながら「エコ」「無添加」「自然」と声高に叫んでいた、「天然生活」(地球丸)「リンネル」(宝島社)読者のような輩は女らしさが足りない! とおっしゃられているようです。そして、「VERY」にとっては「女らしさ」とともに、他者を圧倒したい項目が「経済力」。どんなにナチュラル志向でも、貧乏臭くなるのは「VERY」読者は許せないんです。それを表すのが、「あなたもなれる ミセスオーガニックさん度チェック!」。一部抜粋してみますと、

・青山に新しくできたデイルズフォード・オーガニックを知っている
・ジョンマスターオーガニックを使っている、使ってみたいと思っている
・ハワイに行ったらホールフーズ・マーケットに行く

 やっべ、一言も何言ってるかわがんね。あ、すみません、田舎の言葉が出ちゃいました。ナチュラルっていったら、訛りなどその土地に根付いている文化も理解してほしいんだけど、「VERY」のいうところのナチュラルって、「マルシェ」みたいな言葉が持つフランスの片田舎的イメージだもんなあ。日本の田舎にも目を向けてみて!

■部屋着ぐらいはダルンダルンでいさせて

 「ミセスオーガニックさん」なんて言ったところで、そんな志向を微塵も受け付けてくれないのが、「VERY」のママ友コミュニティーです。今月は入学・入園式が各地で行われ、ママたちの値踏み大会が開催されていますが、ここでマウント取っておかないと卒業までの数年(もしくは6年間)は大変なことになるわよ! と注意喚起しているページが、「ピー子先生が指南役 4月の送り迎え”着まわし”術」。「VERY」読者にとって、値踏みの対象となるのは経済力を誇示するためのファッション。架空モデルの駒ヶ峰ピー子(世田谷区在住、有名私立小学校に通う子持ち)が、週ごとに着て行くべき洋服を教えています。しかしそのテーマが怖い。

「『目立っちゃいけない』が至上命題。きちんと見せたい1週目はJKスタイルで乗り切る!」
「ママ友とのお茶が始まる2週目は好印象が鍵。同系色のキレイ色を投入して勝負に挑んで」
「3週目はママブランチが開始! クラシックな今季の流行りで、持ち前のオシャレ力を発揮」

 知られざるママコミュニティーのスケジュールがさりげなく発表されています。「クラシックな今季の流行」って字面を読んだけで、筆者などは軽くパニックです。流行なの? クラシックなの? わかんないよー。服を選ぶ以前に、ノイローゼになりそうです。そしてページをめくれば、「ハンサムな部屋着ってありますか?」というスウェット素材の洋服が並んでいます。1冊の誌面に、「オーガニック」~「ハンサム」という言葉が躍るファッション誌はなかなかないですよ。

 今月号はすっかり「ミセスオーガニックさん」に目を奪われてしまいましたが、以前よりお伝えしていました、「VERY」が作ったママチャリ、その名の「HYDEE.B」が誕生しています。確かに今までのママチャリとは一味違うデザインなので、ぜひご自分の目で確かめてください。デザインは専門外なので、何も言えません……。
(小島かほり)

「VERY」

どこかのママコミュニティ、取材受けてくれませんか?

amazon_associate_logo.jpg

【この記事を読んだ人はこんな記事も読んでます】
セックスレスの原因(?)だったママチャリ問題を、「VERY」がサクッと解決!
ハンカチ一つでも命がけ! VERY流、入園・入学シーズンの準備法
妻とのセックスは近親相姦!? 「VERY」の「イケダンの真実」が怖すぎる!

今、あなたにオススメ



サイゾーウーマンのSNS

  • 「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

関連リンク