[女性誌速攻レビュー]「STORY」4月号

「STORY」が新規顧客「DKJ」世代に擦り寄り、誌面に大きな変化が!

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「STORY」(光文社)2011年4月号

 今月は連載ページにバブルの匂い漂うお二人が登場。「MOTTAINAIがオシャレ」に川島なお美、「この時計は私の、生き方そのもの」に岡本夏生が遊びにいらしてます。川島なお美の”MOTTAINAI”アイテムはエスカーダの豹柄ブラウスですが、「実は主人が豹柄が好きではなくて」しばらく袖を通すことを控えていたとのこと。彼女の「主人が~」話を聞くにつれ、「この人はこの言葉を言いたいがために結婚したんだろうなぁ」としみじみ。伝えたいところは、ブラウスを何年着ているかではなく、「主人(パティシエの鎧塚氏)好みでないものは身に着けない私」、またMOTTAINAI証言の具体例として上げられていた「昔買ったシャネルのドレス(ウェスト55cm)がまだ着られる私」というもの。

 一方、「今、持っているものを、毎日つけても一生使いきれない」ほどの時計長者である岡本夏生。「貯金していたら? とたまに考えたりすることもありますが、上質なものをたくさん見たり、吸収できたことは、今の自分にとって大切な財産」と前向き発言。絶対反省しないお年頃、常に今が一番輝いていると思いたい40代。「STORY」ではこれを”イタい”ではなく、”発想の転換”と呼ぶのでお見知りおきを!

<トピックス>
◎大特集 今どきは、服で自分を甘やかし(はあと)
◎「DKJ」がゆるっと40代にやってきた!
◎働く40代の「華麗なる着回し」DAYS。

■甘やかし、の裏にある現実

 先月号は「春の私は、頑張らな”いい女”」で、今月号は「自分を甘やかし」。ついに「STORY」はブリブリのボディコンに支配されていた過去を振り切る時が来ました。「かつてVERY時代は”ぴたっ”としたシルエットが命でした」と、「STORY」表紙モデルの富岡佳子が「VERY」時代に誌面を飾った決めカットを、敢えてモノクローム調にして並べ、時代の終焉をほのめかします。「ついに服が私たちの願いを聞き入れてくれる時代が来ました!」と、キャッチもいつになく鼻息荒め。

 「オシャレは”楽”にこそ宿ってる」「”楽”に目覚めてオシャレになった」など、楽への歩み寄りは決して逃げではないこと、「楽=手抜き」ではないことを訴えます。それはもう政治家の「最後のお願い」くらい必死。しかしポンチョ、サルエル、マキシワンピなど見るからにスルっと入りそうなアイテムを紹介するだけでは、若さに疑心暗鬼の読者は納得しません。

 「STORY」的にはここでもうひと押し、本当にオシャレな方々からの「大丈夫、間違ってないよ」のお墨付きが必要。プレス、セレクトショップオーナー、スタイリストなど「目利きニスト」さんから「スウェットOK、オールインワンOK」とのお達しが下って初めて、「ですよね~♪」と服の中で身体を動かせるようになるわけです。

 そうなると、楽への傾倒は止まりません。ついには「私たちには服を選んでいる時間がないの!」と逆ギレキャッチの「ああ、お忙し。コーディネートに悩まずオシャレ服」なんかも飛び出す始末。相変わらず、振れ方の激しい方々です。

 楽ちんでスタイルUPのビフォーアフターに、抜群の所帯臭さと薄幸感を醸し出す元アイドルの芳本美代子が登場したり、今月の特集は正に全方位型。しかし、筆者は見逃しません。誌面の片隅にあったこんな本音、「上下ぴたぴたな服がなんだか、かっこよく見えなくなってきた」。最初からそう言えばいいのに~。

■「STORY」に押し寄せるカジュアルの波

 ブラの食い込みが目立つぴたぴた服はもう着れない……そんな事実に直面したのと時同じくして、「STORY」は新たな局面を迎えたようです。「上昇志向が強く、何事にも全力投球のバブル世代。そのあとに登場するDKJ世代は、今年40代を迎えます」。「DKJ」とは団塊ジュニアのこと。出戻り娘を「ホームズ」と名付けた「STORY」流のオシャレ表記と受け取ります。DKNY世代ですもの。

 この、新規顧客であるDKJを「頑張らないのにオシャレに見える! カジュアルの魔法を使える世代」とし、渋カジ~キレカジ~ベーシックカジュアルに至るファッションの変遷を紹介。なるほど、「STORY」が急に「楽」だの「頑張らない」だの言いだした理由はここにあるのですね。

 「DKJ世代」代表として登場しているのは、かつて渋谷の古着屋でリーバイス501を探しまわり、ラルフローレンやバナナリパブリックを愛用した「カッコ良くてコンサバティブ」なファッションに傾倒していた方々。「全身ブランド物で固める頑張りすぎはタブーのDKJ。ホテルのラウンジにもTシャツにデニムで登場するのが常」と、自然体をアピールします。

 しかし、しかし、です。はっきり言って、誌面が地味! 白シャツの着崩しとか、Vネックニットとか、はき古したデニムとか、そんなの「STORY」で見たくなーーーい(心の叫び)。ホテルのラウンジには、ギラギラのミニワンピで佇んで欲しいのです。「他人が一度着たものなんて」と古着を拒否して欲しいのです。全身ブランドで決めて、謎のカタカナ職業が集まる女子会に参加して欲しいのです。「たけき者も遂にはほろびぬ」……脳内で祇園精舎の鐘の音がゴンゴン鳴っております。

 バブルを知る世代が徐々に50代へと移行し、「STORY」が贔屓にする40代も様変わりしていくのでしょう。しかし、若い男にモテたいがために、頑張らないを頑張ったり、体型の緩みを「楽こそオシャレ」と自己正当化したり。「女にひたむき」なところが「STORY」の根幹、ですよね。「女の老い」を高みの見物しないその姿勢も含めて。バブル世代に一家言持つ団塊ジュニアが「STORY」にやって来るという事実に、この雑誌はこれからどう向き合うのでしょうか。私自身も、「バブル落ち」を考え直さないと。急に川島なお美や岡本夏生が愛おしく思えた4月号でした。
(西澤千央)

「STORY」

みっちょん一応もバブル世代なんだからっ!

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