平成仮面ライダーシリーズを手掛ける白倉Pに直撃

水嶋ヒロ、佐藤健らを輩出! ”ライダー系イケメン”製造秘話を明かす


(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映

 公開2日で動員人数39万人、興行収入4億7000万と大ヒット公開中の映画『劇場版仮面ライダーディケイド オールライダーVS大ショッカー』。仮面ライダーシリーズの人気の根強さを、あらためて認識させられたが、いまやこのシリーズといえば、イケメン俳優のスターへの登竜門としても知られる存在。オダギリジョーに水嶋ヒロ、佐藤健や瀬戸康史もライダー出身で、現在、放送中の『仮面ライダーディケイド』(テレビ朝日系)の井上正大も、もちろんスラリとした長身のイケメンだ。

 しかし、考えてみると昭和46年に初めて登場した1号ライダーを演じていたのは、あの藤岡弘、。いまの爽やかなイケメンとは、随分とイメージが違っていたような……。

 ということで、今回は、『仮面ライダークウガ』からはじまる、平成仮面ライダーシリーズの多くを手がけ、数々のイケメンスターを世に送り出してきた、東映の白倉伸一郎プロデューサーに、イケメンスター製造秘話を伺ってきました。

――昭和の時代と、現在、ライダーを演じる俳優のタイプが随分と変わってきたような気がしますが。

白倉伸一郎プロデューサー(以下、白倉) いまの藤岡弘、さんのイメージが強過ぎるから、皆さん、変わったと思うのかもしれませんけど(笑)、藤岡さんだって、当時は大変なイケメンだったと思うんですよ。しかも、当時25歳くらいで、あれだけの貫禄というか落ち着きがあったわけですから、ホンモノの大スターです。『アマゾン』をやっていた岡崎徹さんだって、ものすごく美形で、いまいないタイプのイケメンでしょう。そういう歴史がベースにはあるわけですし、意識的になにを変えてきたということはないですよ。

――では、現在の仮面ライダーがイケメンスターの登竜門といわれることは、とくに意識されていますか?

白倉 そういう責任も出てきたな、というのは、段々、感じるようにはなりましたよね。時期的には、2001年の『クウガ』、02年の『アギト』と続いて、オダギリジョーさん、葛山信吾さん、賀集利樹くん、要潤くんという、いわゆるイケメンが世に出るための作品だということが、ジワジワと広がっていって、次の『龍騎』をどういう作品にしようというとき、あたりからですかね。

――それで『龍騎』には13人ものイケメンライダーが登場したわけですね。

白倉 でも、世間的にイケメンライダーのニーズがあるかどうか、実はいまでもよく分からないんです。あくまでも子供番組なので、子供にとってどういう作品にしようということは考えますけど、そこにイケメンのニーズがあるとは思えない。ただ、業界的なニーズというのは、否が応にも意識しなくちゃいけなくて。

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数々のイケメン俳優を発掘してきた氏。生粋
の「仮面ライダー」ファンでもある。

――業界的なニーズとは、どういうことですか?

白倉 それまでは、新人俳優が出て行ける場というのが、ほとんどなかったわけですよ。

――イケメン俳優が活躍できる場は、ほぼジャニーズ事務所のタレントで埋まってましたからね。

白倉 だけどライダーシリーズっていうのは、ジャニーズ事務所でなくてもちゃんと世に出て行けて、俳優としての評価も得られる。そういう位置づけというか、認識が広がっていった結果、大手プロさんが新人俳優を出すようになってきたんです。ならば、我々は機能としてそれを満たさなきゃいけないんじゃないのっていう、そういう思いはあるんですよ。

――なるほど。

白倉 ただですね、例えば水嶋ヒロさんは『仮面ライダーカブト』出身ということにはなっていますけど、彼はカブトをやらなくても、絶対にいまの地位があったと思うんです。はじめてあったときに、”オーラが違う”っていうのは、こういうことかと思いましたから。だから、普通、監督やテレビ朝日のプロデューサーの判断も仰ぐものですが、彼の場合は、その場で私が即決したんですよ。彼を見て、納得しない人などいないだろうということで。実際に、みんなが納得してくれましたね

――水嶋ヒロさんは別格だったと。

白倉 『仮面ライダー電王』の佐藤健くんも、出会いは衝撃的でしたね。電王は、主人公が何人もの怪人に憑依されて、そのたびに異なる人格を演じ分けないといけないため、新人ではなくて、経験を積んだ役者さんじゃないと無理ではないかと、何人かの俳優さんと交渉を開始していたんですよ。でも、一応オーディションもしてみたら、彼がいたんです。もう演技のセンスが図抜けていて、オーディションの中でのお芝居を楽しんじゃっているんですよ。当時は、本当に新人だったんですけど、原石にしては光りすぎているよ! って。

――やはりスターになる人は、はじめから輝いているんでしょうか。

白倉 そうなんです。自分のキャスティング能力に関して、自負したい気持ちもないことはないんですが、彼らに関しては、見出したというよりも出会えたことがラッキーだったという、そういう思いが強いですね。だから、彼らから受けた恩を、次のライダーを演じる俳優さんに返していこうという気持ちが、常にありますよ。そういう幸せの連鎖が、平成ライダーシリーズの歴史でもあって、これからも続いていけばいいなと思っているんです。

――平成ライダーたちになにか共通点はありますか?

白倉 あるとすれば、”いいヤツらだ”っていうことでしょうかね。みんな、次にまた仕事がしたくなるんですよ。いまのディケイドの井上正大くんや、村井良大くん、戸谷公人くんも、”なんで?”って聞きたくなるくらい、いいヤツらで、現場の雰囲気がすごくいいんです。自分に厳しく、周囲にも高いレベルを要求する、ホンモノのプロの役者さんである石橋蓮司さん(光栄次郎役)も、そんな彼らが可愛くてしょうがない様子で、親身にアドバイスをくださっていますからね。振り返ってみると、アギトに出てくれた要潤さんも、カブトに出ていた山本裕典くんも、いいヤツとしか言いようが無かったです。その後の活躍ぶりは、みなさんご存知の通りですからね。

――ということは、俳優としての資質と同様に、その人間性に一目惚れできるか、というのが
実は大きいのかもしれませんね。

白倉 それは大いにあると思います。というか、ほとんどがそうかもしれない。

――そうしたいままでの積み重ねが、映画『劇場版仮面ライダーディケイド オールライダーVS大ショッカー』の大ヒットとなっているのでしょうね。

白倉 いや~、まさか公開週に、ハリーポッターまで上回るとは思いませんでしたけどね。本当にありがたいばかりです。いままでの主演ライダーを総登場させるという”禁じ手”に手を染めたかいがありました(笑)。さらに、多くの方に見ていただけると幸いです。

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(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映

『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダーVS大ショッカー』
原作:石ノ森章太郎 脚本:米村正二 監督:金田治 
出演者:井上正大、村井良大、戸谷公人、森カンナ、荒井萌、奥田達士、大浦龍宇一、大杉漣、石橋蓮司、倉田てつを、賀集利樹、GACKT 他 配給:東映
公式サイト

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