コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

有吉弘行は「すごろくでいったらあがり」――石橋貴明の発言は「ちょっと違う」と思ったワケ

2023/11/09 21:00
仁科友里(ライター)

 石橋と保奈美のこれまでを振り返ってみよう。『お笑いスター誕生!!』(日本テレビ系)出身のとんねるずは、「部室芸」と揶揄されながらも、数々のレギュラー番組を獲得し、高視聴率を記録していく。一方の保奈美もドラマで主演を務める若手のトップ女優だった。その2人が結婚し、保奈美は芸能界を引退。2人の間には3人のお子さんが生まれ、当時は順風満帆だったのだろう。

 しかし、子育てが一段落した保奈美は本格的に女優復帰し、どんどん仕事を増やしていく。一方の石橋は、コンプライアンスを無視した笑いが受け入れられない時代となり、レギュラー番組が次々と終了。この頃から週刊誌で、石橋による保奈美への束縛グセや離婚の可能性が取り沙汰されるようになった。

 実際、『石橋、薪を焚べる』(フジテレビ系)が終了し、石橋の地上波での番組がなくなった数カ月後に離婚を発表。離婚の原因は他人にはわからないし、離婚が“人生の失敗”というつもりはない。

 ただ一ついえるのは、社会的名声は永遠に続かないということ。私なら、そういうときにこそ、「家族に支えてほしい」と思うが、社会的名声にあぐらをかいて家族を大事にしてこなかったり、反対に配偶者が社会的名声に重きを置くタイプだった場合はどうなるか。家族は社会的名声を失った人に見向きもしなくなるだろう。そう考えた場合、社会的名声を手に入れても、家族がいても、「すごろくでいえばあがり」とは言い切れないと思う。

 古代ギリシアの哲学者・ヘラクレイトスは「万物は流転する」と言ったが、有形無形のものを含めて、変わらないものはないといえるだろう。だが、多くのものを手に入れてきた人ほど、変化を認めたり、受け入れることが苦手なのかもしれない。

 元妻である保奈美が、女優として精力的に活躍しているだけに、比べてしまっているのかもしれないが、一世を風靡した人が時代に合わせて変わることの難しさを見せられた気がした。


仁科友里(ライター)

1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。

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Twitter:@_nishinayuri

最終更新:2023/11/09 21:00
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