[ジャニーズアイドル誌レビュー]「ポポロ」2023年11月号

キンプリに続きなにわ男子も……キラキラ系アイドルは「実は踊れる」評価を欲してしまう?【ポポロ11月号レビュー】

2023/10/07 16:00
相原かもめ(ジャニーズライター)

Snow Man・岩本照とラウールのツーショットが「じいじと孫」に見える

 次に見ていくのは、Snow Manの岩本とラウールが登場する連載「それ○○にやらせて下さい」。今回は「ラウールのセンスを絶賛&信頼している」という岩本が、ラウールに「創作」をリクエスト。岩本が見守る中、ラウールが白いTシャツに絵を描いています。

 ジャニーズ史上初『パリ・コレ』デビューを果たし、ファッション界でも注目されるラウール。美術的センスも高いだろうと思ったのですが、「僕は初めて岩本くんを見たとき」がテーマの完成作品を見ると、シュールとも違う、ヘタウマでもなく……ただただヘタな絵だったためほっこりしました。

 キャップをかぶった紫色の人物と、真ん丸の目が印象的な赤色の人物が、すべて点線で描かれており、それぞれ岩本とラウールとのこと。また唐突に、3本の矢印が伸びており、一体これは何なんだと思ったのですが「“ここからはじまるよ”って意味ね!」(ラウール)だそうです。“始まり”を矢印で表すラウールの素直さに、またもほっこりします。

 大変失礼ながら、ラウールのヘタな絵を、岩本は「ウチのラウールすごいだろ♪」とべた褒め。2人はファンの間で“いわラウ親子”としておなじみで、同誌でも岩本は「パパ」と紹介されていたものの、普通、息子を溺愛している父親でも、もうちょっと厳しい目で見るのでは? と思ってしまいました。岩本はラウールのパパというより「じいじ」でしょう。

 奇しくも、同誌の発売日は9月21日で、ちょうどその数日前は敬老の日。Tシャツを胸の前に当てほほえんでいる岩本とラウールの写真は、まさに敬老の日の「じいじ、大好きだよ!」ショットにしか見えません。いわラウの親子というより“じいじと孫”感については、今後も要チェックです。

“王道のキラキラアイドル”なにわ男子・道枝駿佑の「バリバリのダンス曲」発言が気になる

 最後は「なにわ男子の現在、過去、未来」をチェック! 結成5周年のロングインタビューで、藤原丈一郎&大橋和也、西畑大吾&大西流星、道枝駿佑&高橋恭平&長尾謙杜がそれぞれ対談・鼎談しています。

 藤原が大橋に「“親友”という言葉では、おさまらんなぁ。“親友”じゃなくて、“『信』友”やな。親友よりもさらに強い絆があるから」、大西が西畑に「兄弟っていう関係性から今は同志になっている感じやな」と熱く語るなど、メンバー同士の今の関係性を知れる内容となっており、なにわ男子ファンは必読の企画といえるでしょう。

 そんな中、筆者が気になったのは、道枝がグループの今後について語っているところでした。

「今までにないようなバリバリのダンス曲をシングルでやってみてもいいかなと思っている。今までのなにわ男子の曲とはちがう。ギャップも見せられるだろうし」

 なにわ男子は王道のキラキラアイドル路線をひた走っていると思っていましたが、「実は踊れる」という評価を欲しているのでしょうか。かつてKing&Princeは、現在のなにわ男子と同じようなイメージで見られていたものの、それを覆したいと、KREVA作詞・作曲、RIEHATA振付の楽曲「ichiban」(22年6月発売の4枚目のアルバム『Made in』のリードトラック)に挑戦しています。

 王道のキラキラアイドルというのは、そのイメージを脱ぎたいと葛藤してしまうものなのかと考え込んでしまいました。特に言い出しっぺの道枝は、西畑&長尾が“文春砲”に撃たれ、高橋がたび重なるプライベート写真流出で物議を醸す中、圧倒的な優等生ぶりで、なにわ男子の“王道キラキラアイドル”感を引っ張っていっている人物といえます。そんな彼もまた、自分に求められているアイドル像に窮屈さを感じているのかもしれません。

 十年後、道枝がワイルド系に進化しているなんてこともあるのかと、想像を巡らせてしまった次第です。とはいえ、Hey!Say!JUMP・山田涼介に憧れている道枝だけに、そんなことはない……はずですよね!?



相原かもめ(ジャニーズライター)

相原かもめ(ジャニーズライター)

嵐・大野智をきっかけに、ジャニーズファンになったライター。ジャニーズを中心にレビュー記事や取材を行う。

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最終更新:2023/10/07 16:00
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