ママ友トラブルは解決できる?

専業主婦のママ友からマウント? 育児とフルタイム勤務に疲れたワーママに届いた驚きのDM

2023/07/17 17:00
池守りぜね(ライター)

「子ども同士の付き合い」が前提のママ友という関係は、価値観や環境の違いからさまざまなすれ違いが起きやすい――。ママたちの実体験を元に、ママ友ウォッチャーのライター・池守りぜねが、ママ友トラブルの解決策を考える。

働く女性のミニチュアの画像
写真ACより

 忙しい育児中のママたちにとって、SNSで悩みをつづったり、LINEのグループチャットで、ママ友と愚痴をこぼし合うことが、ストレス発散になっているように思う。今回は、ママ友とSNS上でやりとりをする中で、「モヤモヤを感じた」というお母さんの話を取り上げる。

自宅に仕事を持ち帰り……子どもを0歳から保育園に預けたワーママの日常

 都内にあるPR会社で営業をしている琴美さん(仮名・32歳)は、1歳になる男児のママ。日中は子どもを保育園に預けてフルタイムで働いているが、業務時間内に終わらない仕事は自宅に持ち帰り、子どもを寝かしつけた後に片づけている。「土日はゆっくり休みたい」と思うが、「そもそも育児に休みはないし、平日にできない通院などの用事で、あっという間にスケジュールが埋まってしまう」そうだ。

「自分の時間がまったくないというわけではないですが、1人でゆっくり過ごすことは全然できていません。職場はフレックスタイム制で、私としては午前9時に出社して、午後5時には帰るというのが理想。でも手掛けているプロモーション案件は午後5時以降に先方から連絡が来ることも多いんです。毎日、きっちりとした“仕事の終わり”が見えず、帰宅してからも簡単なメール返信などはしています」

 琴美さんの職場は女性社員が多く、産休や育休は問題なく取れるが、「すぐに復職する社員がほとんど」だそうだ。

「うちの会社は都内在住の社員が多い。みんな、子どもが保育園の待機児童になるのを恐れて、比較的入りやすい0歳児のうちに入園させ、すぐに仕事復帰しています」

マミートラックに陥るのが不安、「時短勤務にしたら、前線に戻れない」

 仕事と育児の両立で疲弊しているという琴美さんだが、もう一つ大きな悩みを抱えている。

「どうしても育児に時間を取られ、思ったように仕事ができないことです。うちの会社には、プロジェクトリーダーを務める育児中の女性がいるのですが、実家やリモートワークをしている旦那さんに子どもの迎えを頼んで、残業もしている。一方の私は、緊急時以外は残業をせず、退社していて……家でも仕事をしているとはいえ、出産前のようには働けません。このままでは、やりたい業務のメンバーから外されてしまうのでは……と不安になってしまいます」

 琴美さんも夫も地方出身のため、保育園以外に子どもを預けることは難しいという。

「残業した時は、延長保育をお願いしているのですが、追加料金を考えるとそう頻繁にはお願いできない。夫は建築関係の仕事をしており、仕事の終わる時間が遅く、どうしても私が定時で仕事を切り上げ、迎えに行くしかないんです」

 琴美さんは、いまの自分は「マミートラック」に陥りかけていると話す。

「仕事に復帰してから『マミートラック』という言葉を知って落ち込みました。子どもを産んだため、仕事が思うようにできず、出世コースから外れてしまうことを言うそうです。仕事と育児の両立に疲れ、もっと休みたいという気持ちがある半面、責任ある仕事を任せられないと思われるのは嫌という気持ちもあって。周りにそういう悩みを伝えられるママ友がいないので、SNSで『フルタイムで働くのはつらい』『でも時短勤務にしたら、前線に戻れない』と愚痴を吐いてしまいました。そうしたら、普段は私の投稿にあまり反応してこない地元の友人から、DM(ダイレクトメッセージ)が送られてきたんです」

ワーママの悩みに、専業主婦のママ友が「わかる」

 SNSには、夫に対する不満や育児のつらさなど、ママたちの本音があふれている。しかし琴美さんの“悩み”は、思いもよらない事態に発展してしまった。

「彼女は高校時代の同級生で、地元に帰った時に友人同士の集まりで会う仲。いまはお互い子持ちなので、育児の話をするママ友みたいな感じですが、個人的には、そこまで親しくはないと思っていました。そんな彼女から、『仕事が大変なんでしょ~。わかる。今日ママ友とランチしてた時、この話題で3時間盛り上がった』ってDMが来たんです。思わず、『え? どういう意味?』とメッセージを読み返しました」

 琴美さんは、この友人に向けて書いたつもりではないSNS投稿に反応があり、返信に困惑したという。

「彼女が私と同じワーママという立場だったら『共感してくれたんだ』と納得できるのですが、地元で幼稚園児の子を育てる専業主婦なんですよ。妊娠前まで働いていたとはいえ、私とは立場が違うのに『わかる』ってどういうこと? とモヤモヤしましたね。もしかしたら『自分のほうが優雅だ』っていうマウンティングをされたのかもしれないですが……こういったメッセージにはどう返信したらよいのでしょうか」

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