コラム
仁科友里「女のための有名人深読み週報」

『アメトーーク!』野田クリスタルが先輩に可愛がってもらえない本当の理由とは?

2023/04/06 21:05
仁科友里(ライター)

私たちの心のどこかを刺激する有名人たちの発言――ライター・仁科友里がその“言葉”を深掘りします。

写真ACより

<今回の有名人>
「行くか!」マヂカルラブリー・野田クリスタル
『アメトーーク!』(3月30日、テレビ朝日系)

 3月30日放送の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)のテーマは「先輩に可愛がってもらえない芸人」。これは2011年に、麒麟・川島明の発案で行われた企画だが、メンバーチェンジをしての第2弾ということらしい。

 「これって、今の時代に大丈夫なのだろうか」というのが、私の最初の感想だった。

 前回の「先輩に可愛がってもらえない芸人」には、その下敷きとなるような「たいこ持ち芸人」(08年放送)という企画があった。同回に出演した芸人たちは、必死になってネタを作るより、先輩に可愛がってもらうほうが早く売れると考え、カラオケなどで先輩を喜ばせるテクニックを披露していた。

 つまり「先輩に可愛がってもらえない芸人」には、“それゆえに売れるチャンスを逃している”というニュアンスが含まれているように思うのだが、それは一歩間違うと「芸人として成功するためには、先輩の誘いは絶対に断れない、先輩の言うことは絶対」ということにつながり、今の若者にはハラスメントを正当化しているように感じられるのではないか。

 また、10年以上前であれば、芸人が「先輩に可愛がってもらえない」とボヤくことは、自虐的で面白かったかもしれないが、現代の若者には、「でも『アメトーーク!』に出られるくらい売れてるじゃん」と冷めた目で見られてしまうように思う。そのため、今回の企画は、失敗するのではと思って番組を見ていたが、結果から言うと、非常に今っぽくて面白かった。

 芸人たちは、なぜ先輩に可愛がってもらえないかを自己分析する。パンサー・菅良太郎は「圧倒的に可愛げがない」、マヂカルラブリー・野田クリスタルは「芸歴の前半がトガりすぎてた」「仕事終わって飲みに行って、オンナ呼ぶみたいな、ああいう流れがつまんねーなと思ってて」と、先輩に自らなじもうとしなかった時代があったと告白していた。

 その後、実際に先輩芸人のFUJIWARA・藤本敏史(フジモン)から、控室で飲みに誘われた際、彼らがどういった対応をするかを検証するVTRが流されたが、それを見ていると、なんとなく「誘われない理由」がわかった気がする。

 菅は、フジモンに「メシ行こうってなったのに、全然言ってこない」と言われた際、「あ、自分から(誘うべき)?」と敬語を使わずに返答。また「菅は俺と飲んでいて、楽しいんかな?」と聞かれると、「そりゃ、もうゲラで」と答えていたが、これはフジモンが求めている返しではないと思う。

 おそらく、後輩を食事に誘う先輩は、後輩から「ぜひ食事をご一緒したい」「先輩と飲むのは楽しいです」というような尊敬の念を含んだ素直な言葉を期待しているのではないか。菅はそういう可愛げのある言葉を発しないので、フジモンの誘いに迷惑しているようにも見える。これでは、先輩が「誘うのは控えよう」と思ってしまうだろう。

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