コラム
佃野デボラのホメゴロシ!

『ちむどんどん』は対象年齢3歳~。ヒロイン・暢子一家の借金問題だって“なんとかなる”、史上最も“やさしい”朝ドラ

2022/05/21 16:00
佃野デボラ(ライター)

 3歳児から楽しめるこの朝ドラにも、非常に強固なメッセージが一つだけある。それは、「どんな理由があろうと、誰かの保証人になってはならない。金を貸してはいけない」という教訓だ。比嘉家が多重債務の蟻地獄にはまっていく姿や、その元凶である優子と賢秀の「母親と長男の共依存」に関する描写だけがやけに微細で、その姿は、現代にも通ずる社会の「闇」を我々に伝えてくれている。

 そんな『ちむどんどん』だが、今後の見どころは盛りだくさんだ。「多重債務どこまでいけるかチキンレース」は、いつ決着するのかという問題。優子がヒロインの最大の理解者を装いながらも、実はラスボス(最大の障壁)なのではないかという疑惑。母・優子の前で天下無双の威力を発揮する鎧「長男アーマー」を生まれながらに装備している賢秀の巻き起こすトラブル。これらは物語にどう絡んでいくのだろうか。

 さらに、本作が『若草物語』をモチーフにしたばかりに、歌子に課された「すぐに熱を出す」という記号的ハンデは、「なぜかハンマー」の力を借りてある日突然解除されるのか。下地先生と歌子からバトンを引き継ぎ、しつこく繰り返される製糖工場の跡取り息子・金吾(渡辺大知)と良子の追いかけっこにはどうオチがつくのか。良子が金吾と結婚する「玉の輿ブースト」で終着するのか、それともダスティン・ホフマンよろしく、友人・石川(山田裕貴)が土壇場で良子を奪いにくる「『卒業』ミニゲーム」となるのか。「そもそもオールクリア(最終回まで見届けることが)できるのか」というチャレンジも込みで、「ちむどんどん」しながら注目していきたい。

佃野デボラ(ライター)

ライター。くだらないこと、バカバカしい事象とがっぷり四つに組み、掘り下げ、雑誌やWebに執筆。生涯帰宅部。

最終更新:2022/05/21 16:29
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