コラム
知られざる女子刑務所ライフ142

「生娘シャブ漬け」なんて密売人も言わない! 覚醒剤で12年服役した元ポン中が「吉野家」元役員に物申す

2022/05/01 16:00
中野瑠美改め瑠壬(作家)
写真ACより

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

密売人は女性を“シャブ漬け”しない

「瑠美さん、プロの目から見て『生娘をシャブ漬け』っていかがです?」

 編集者さんから、お電話がきました。プロとは失礼な……(苦笑)。もうマジ覚醒剤はまったくさわってないですよ! ないけど、やっぱりひどい表現やなとは思いましたね。

 瑠美が関わっていたクスリ(違法薬物)の密売人の仲間うちで、こんな言葉を使う人はいてなかったし、もし使(つこ)たら「罰当たり!」と、めっちゃ叩かれると思います。

 要するに「何も知らない若い女性を(クスリまたは牛丼から)離れられなくする」ちゅうことですよね? こうゆうことは、少なくとも瑠美の知っている密売人はやりません。いいか悪いかは別ですが、監禁や束縛よりも風俗とかでしっかり働いて、自分の判断で自分のお金でクスリを買うのが“ええお客さん”。

 やっぱり風俗系は「クソ客」が多くてストレスもたまりますから、これもいいか悪いかは別にしてクスリでもやらないとやってらんない風俗嬢は多いです。でも、これは「誰かにシャブ漬けにされとる」のではなく、自分で決めること。自業自得です。

 ちなみにたいていの風俗嬢は、クスリを使うため「だけ」に風俗で働くわけでもないです。子育てや家族の治療費、あるいは自分の進学の費用など、わりとちゃんとした目的で働いている子も多いんですよ。それにエステやネイルサロンに行くお金も欲しいですしね。いろいろつらいから、クスリを使てしまうこともあるんです。でもダメですけどね。

 もちろん前回書いたお医者さんみたいに、誰かを束縛するためにクスリを使う人も、いてなくはないです。

いちばんかわいそうなのは「現場の人」

 話がそれてきましたが、「生娘をシャブ漬け」発言の吉野家の元役員さんは、ごっついエリートやそうで、なんでそんな言葉を思いつくんかなあと。それが不思議。カタギさんの言葉と違いますよね。まあ最近は、カタギさんのほうがクスリや人殺しなんかの重大事件を起こしてますけど。

 今回いちばん気の毒なのは、吉野家の店員さんですよね。ネットを見ても「もう買わない」とか「一生行かない」とかがめちゃ目立ちます。

 1,000円くらいの時給で一生懸命がんばってるのに、その何百倍のギャラを稼いでる人の「一言」でお客さんがお店に来なくなるのって、ひどくないですか? 

 そもそもエリートさんこそ、牛丼を食べたことないのと違いますかね。瑠美はたまに行きます。お店が終わって、明け方近くに食べるあったかい牛丼は、ほんまにおいしくて、500円くらいで幸せになれます。

 エリートさんは、24時間営業のお店で時給で働く人たちの気持ちや、仕事のあとの牛丼のおいしさを知らないし、知ろうともしないから、変なことを言いだしたのかもしれませんね。

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