コラム
仁科友里の「女のための有名人深読み週報」

小林麻耶、松居一代の暴露スタイルと異なる「計画性のなさ」……「テレビに出たい」発言に見る覚悟の違い

2022/03/24 21:00
仁科友里(ライター)

 私も経験があるが、家族だからといって、全員が病人の気持ちに寄り添えるとは限らず、むしろ「この人、何しに来たんだろう?」と言いたくなる身内はいる。このような例は私の周りに限ったことではないようで、ある外科医から聞いた話だと、妻の入院中に「おまえが入院しているから大変だ」と嫌味を言う夫や、70代の母親が入院した際、娘は仕事と子育てをしながらせっせとお見舞いに来るのに、独身の息子は全く顔を見せないこともあるそうだ。

 また、麻央さんが離婚したいと思っていたという話も、意外性はなかった。というのは、結婚していて離婚が一度も頭をよぎらない人のほうが稀だろうし、麻央さんの場合、嫁ぎ先は梨園だ。複雑なしきたりや人間関係の中で疲れ果て、離婚したいと思い、信頼する姉につい気持ちを漏らしたとて不思議ではない。

 歌舞伎界きっての名門・市川家の跡取りとして、子どもの頃から大人に囲まれ、お世話され続けて育っただろう海老蔵。妻を愛しているからといって、闘病中にいきなり違う性質の人間になると私は思わない。海老蔵が妻を支える夫として不向きであったとしても、「いい夫ではなかった」とは言い切れないし、麻央さんが「離婚したい」と言ったとしても、それは「愛のない結婚生活」「夫婦不仲だった」ということではないだろう。

 “真実”を伝えれば、世間の人は見る目を変えて、自分の味方をしてくれると麻耶は思ったのかもしれない。しかし、暴露というのは、インパクト次第で真実だと信じてもらえるか否かが決まる勝負でもあると、個人的に思っている。たとえば、海老蔵が麻央さんの闘病中に不倫していたなど、明らかに倫理に背くことを確たる証拠と共に白日の下に晒せば、世間は驚くだろうし、真実だと信じてもらえそうだ。

 そう考えると、麻耶が今回YouTube上で明かした話だけでは「よくあること」で済まされてしまい、かえって麻耶のほうが「海老蔵に固執している」と悪印象を持たれてしまうのではないか。

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