コラム
“噂の女”神林広恵の女性週刊誌ぶった斬り!【第592回】

SMAPの反戦歌「Triangle」16年ぶりヒットに考える、芸能人の“政治的発言”

2022/03/08 21:00
神林広恵(ライター)

 しかし、少し引っかかる。今回のウクライナ侵攻はロシアによる戦略戦争として世界的に批判を浴びているものだ。そして日々伝えられているウクライナの惨状は痛ましい。日本政府もこれを批判している。

 だが、これがロシアの戦争ではなく日本についてだったらどうだろう。というのも、この「Triangle」現象の特集を読んで、5年ほど前に起きた日本の悪夢のような芸能人バッシングを思い出したから。

 当時の安倍政権下で強行された安保法制。これは集団的自衛権の行使などを認めたもので“戦争法”とも言われた。この法律により、もし米国が軍事攻撃(たとえば北朝鮮)をすれば、自衛隊が米軍と一緒に参戦する可能性、危険性もあるものだ。

 そして当時、一部の芸能人、アーティストたちが安保法制反対を訴えたが、“芸能人は政治的発言はするな!”といったバッシングがネットを中心に巻き起こった。危険な戦争法案に対して批判しただけで「反日」などと攻撃された。そして、こうした風潮は安倍政権が終わった今でも、日本社会に根づいていると思われるから。

 他国の戦争でも自国の戦争でも、戦争は戦争。どんな理由があってもしてはいけない悲惨なこと。日本を代表するアイドルだったSMAPの反戦記事を読んで改めて強く思う。

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