『ザ・ノンフィクション』レビュー

『ザ・ノンフィクション』修業の終了間近に退職したきっかけ「ボクらの丁稚物語2022 ~涙の迷い道と別れ道~ 後編」

2022/03/07 17:56
石徹白未亜(ライター)
写真ACより

 日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。3月6日の放送は「ボクらの丁稚物語2022 ~涙の迷い道と別れ道~ 後編」。

あらすじ

 横浜市の家具製作会社「秋山木工」では、住み込みで5年間修行する丁稚奉公制度が採用されている。この間、丁稚たちは酒もタバコも恋愛も禁止、携帯電話は私用で使えず、家族への連絡は手書きの手紙だけ。朝は近所の清掃、さらに修行期間中は男性も女性も丸刈りという非常に過酷な生活だ。

 高級ブランド店が注文するような一点ものの家具を作る高度な手加工の技術を身につけられるとあって志望者は後を絶たないが、半数は脱落してしまうという。

 2017年、秋山木工に3人の丁稚が入社する。京都大学を中退して来た、実家が家具製造会社の内藤と造園会社の跡取りである加藤、糖尿病を抱える佐藤だ。

 19年春、そんな3人に2人の後輩が入ってくる。そのうちの一人、山田は秋山社長が「傲慢になる天才」と呼ぶ鼻っ柱の強さで、「何かどうしても上の方々の3人に(17年組)ちょっとどうしても憧れが持てない自分がいて」と不満を口にし、17年組との関係は不和が続く。

 秋山木工は、23歳以下の若手職人が技術を競い合う大会「技能五輪」において入賞常連であり、17年組の直接の先輩にあたる伸吾も銅メダルを獲得している。「打倒秋山木工」を掲げる全国のライバルも多い。

 今回、秋山木工からは佐藤と山田が出場する予定だったが(ほかの17年組は年齢制限で出場できない)、先輩職人から、2人の出場に対し物言いが入る。

 佐藤は遅刻が多く、禁止されている携帯電話を使っていること。山田は言うことを聞かないことなど、2人の生活態度は17年組と山田の不和を呼ぶだけでなく、先輩職人の間でも問題視されていたのだ。これを受けて、秋山社長は初めて「技能五輪」の出場を断念する。

 もともと佐藤は先輩社員の高い技術、仕事ぶりを見て、自分はここまでできないと退職を考えていた。一度実家に帰り、家族からの説得もあり、秋山木工に戻ったという経緯がある。しかし、この不出場で気持ちが折れてしまったのか、5年の修業生活のうち4年半まできたところで、結局退職してしまう。

 番組の最後では、伸吾先輩が修行を終え晴れて職人となった。先輩職人から秋山木工の法被を着せられると、両親は涙していた。

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