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『ザ・ノンフィクション』レビュー,

『ザ・ノンフィクション』暗い世相にまばゆいバブル世代の華やかさ「もう限界かもしれません ~コロナと父娘のラーメン屋~」

2022/02/14 19:18
石徹白未亜(ライター)

 番組ではコロナ前、会社が絶好調のころの自社パーティー(裕也50歳の誕生祭)が紹介されていたが、裕也は銀白色の袴姿で、リオのカーニバル風のダンサーたちを大勢従え登場するなど、今の日本からはほとんど失われたように思われた「バブリー」を地で行っていた。そして、これが見ていて爽快なのだ。

 社長室の壁には、家の玄関ドアほどある大きな馬の絵画が飾られ(馬主になりたいと話していた)、部屋にはえつ子の身長くらいありそうな陶磁器のツボ、円形の屏風、金色を基調とした縁起物があった。

 バブル世代は金銭感覚と美的感覚がおかしいと煙たがられることもあるが、一方で、バブル世代には華がある。華やかさ、派手さが、今の先の見えない暗い世相だからこそよりまばゆい。そしその圧倒的な華やかさが、新宿歌舞伎町ではなく、狭山から噴き出していたというのもたまらない。

 裕也の社名「インフィニティ78」の78は七転び八起きが由来だという。先の見えない苦難の中かと思うが、“狭山の帝王”の再起を願う。

 次週の『ザ・ノンフィクション』は「山奥ニートの結婚 ~一緒に赤ちゃん育てませんか~」。和歌山県の山奥で、「働きたくない」20~30代の若者がシェアハウスで共同生活を送っている。そんな理想郷に、現実の象徴でもある「赤ちゃん」がやってきて……。

石徹白未亜(ライター)

専門分野はネット依存、同人文化(二次創作)。ネット依存を防ぐための啓発講演も行う。著書に『節ネット、はじめました。』(CCCメディアハウス)など。

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Twitter:@zPvDKtu9XhnyIvl

いとしろ堂

最終更新:2022/02/14 19:26
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