コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

小室夫妻は歴史的には普通? 皇室に存在した“皇族のルールブック”にみる「結婚の教え」

2021/12/04 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――ほかの皇族方も、ですか。ちなみに、結婚に際しての教えはあるのでしょうか? 眞子さんの行動は行動理念上どうなのか気になるのですが……。

堀江 そうですね。現在では『寛平御遺誡』は、ごく一部しか現存していないので、残念ながら、結婚の教えはあったかもしれませんが、少なくとも現在、読むことはできないのです。

 でも面白いことを思い出しました。醍醐天皇の崩御から約36年後に生まれた藤原道長は、「男は妻柄(めがら)なり」という言葉を残しています。

 「男が出世できるかは妻しだいだよ」などと普通に訳せますが、当時の皇族や上流貴族の男性は、妻とその実家の財産に寄生して生きるものだからです。だから「経済的に頼りがいのある妻をもらうのが一番!」とするのが、歴史的には正しい訳となるでしょうね。

――なんだか、どこかで聞いたような話ですが……。

堀江 たしかに夫を“養っている”点では、小室夫妻は平安時代なら普通なのかもしれませんが(笑)、現代の国民に馴染みが深い夫婦のあり方とは違うようですね。

――だからこそ、批判の嵐だったのでしょうか。しかし、平安時代に書かれた“ルールブック”と、多かれ少なかれ、同じような基準で生きることを求められてしまう21世紀の皇族がた。あの方々に許され得る“人間らしさ”とは……などとも思わずにはいられないのですが……。

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