コラム
となりの脱会くん

カルト宗教を脱会した日、私は『アルマゲドン』の主人公になった。親との関係は“世紀末”に、でも「辞めてよかった」ワケ

2021/11/24 18:30
DJ2世 a.k.a 脱会くん(ライター)

 しかし事態は急展開を迎える。脱会して2日後、親から「脱会したと聞きました」という旨のメールが届いた。なんと綿密な市場調査(ガバガバ)を行って一大決心をしたのにもかかわらず、2日でバレたのである!

 そのメールは「このような結果になって悲しいです。相談してくれたらよかったのに」みたいな内容のものだった。「そうだよね……」と思いつつも、この件ばかりはいくら言っても親とはわかり合えないだろうし、「この期に及んで、そんなことしか言えないのか」と、ちょっとイラッとした。

 そこで何らかの返信をすればよかったものの、一切しなかったので、その後、私と親の仲は“世紀末”の様相を呈するようになる。そのわだかまりが解けるのはそれから約3年後のことである。結構、時間がかかった。

脱会を振り返ってみて。親バレについて思うこと

 人に歴史ありというが、あらためてこうして文字に書き起こすと、なんだか、「ノリで行動しすぎ」「親に迷惑かけすぎ」のただのクソ野郎じゃないかと思った。

 しかし、自分の人生を考えると、やってよかったのかな? と感じている。なぜなら、こんなふうに大胆に行動しないと、絶対にあの生活から完全に抜け出すことはできなかったと思うからだ。ずっと宗教とつかず離れずの生活をしていただろう。

 また不本意ではあったが、実は親バレしてしまったのもよかった。その後、親と話し合い、お互いに信仰するしないの違いはあれど、「それぞれの道を尊重する」という結論に至る、大きな足がかりになったからである。あの段階で自分が信仰していないことが親に伝わったことで、強制的に話し合う機会を設けなくてはいけなくなった。2世信者にとって、「信仰していないこと」をカミングアウトするのが、実は一番ハードルが高いものなのである。あのとき親にバレていなかったら、いまだに自分は、それを隠して生活していたのかもしれない。

 それに脱会してしまうと、もう「いったれ!」という気持ちになり、電話帳から信者の連絡先を全て消したり、家に埃ひとつも残らないまで宗教グッズを捨てたりするのも、気負わずできるようになる。宗教を辞めたい、距離を置きたいと悩んでいる人には、視界に宗教なものが一つも入ってこない生活を、ぜひ一度は体験してもらいたいものだ。

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