コラム
【連載】堀江宏樹に聞く! 日本の“アウト”皇室史!!

昭和天皇の娘、“月収20万円”サラリーマンと結婚で皇室人気上昇! 「逆に好印象」だったお相手の経歴とは?

2021/10/02 17:00
堀江宏樹(作家・歴史エッセイスト)

――たしかに地味ですね。芸能界では人気女優が一般男性と結婚、というケースがまれにありますが、往々にして“一般”とは言い難い経歴だったり、お金持ちだったりします。

堀江 しかし、島津さんはそういうわけでもなかった。「日本輸出入銀行」の銀行員であり、世田谷の高級住宅地である成城学園にお住まいとはいえ、そのご自宅の土地は借地、家屋は兄上の所有物です。お母様の久子さんは裁判所の調停員でしたが、二人あわせて一家の月収は(当時のお金で)3万円ほどだったとか。

 当時の大卒初任給が1.1万円だったといわれますが、島津さんの月給はこの時、1.3万円だったそうです。現代なら月収20万円ちょいで、手取りが10万円後半。ボーナスはあったでしょうが、現代でいうなら年収300万円には足りないくらいだったと推察されます。

――渡米前、都内の弁護士事務所に勤務していたころの小室さんの推定年収よりも低いかもしれませんね?

堀江 はい。それでも宮内庁では問題にならなかったのです。小室さんと同じく、島津さんもお父様を早くに失い、いわゆる“母子家庭”でしたが、ヘタに背伸びして贅沢な暮らしをしようとしていなかったことが、逆に好印象だったと推察されます。

 背広は3着しか持っておられませんでしたが、それらを大事に着回しているし、当時まだ高価だった自家用車も「購入予定ナシ」と島津さんは明言なさっています。そんな島津さんのことを戦後に没落した華族・皇族などを指す「斜陽族」の典型という人もいました(島津さんは元・伯爵家の出身)。

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